プレスリリース
アース製薬と広島大学による共同研究講座を設置 新しいアプローチで口腔ケア製品開発の実現に向けた研究に取り組み、健康寿命の延伸に貢献!
アース製薬株式会社(本社:東京都千代田区、社長:川端克宜、以下 「アース製薬」)と国立大学法人 広島大学(学長:越智 光夫、以下「広島大学」)は2022年4月1日、広島大学大学院医系科学研究科に共同研究講座(講座名:口腔炎症制御学共同研究講座)を設置いたしました。
1.本講座の目的
高齢化・長寿化が進む現代社会において、生活者が生涯健康な状態で生活できることが非常に大切であり、QOL(Quality of Life:生活の質)向上のためオーラルケアの重要性が高まっています。近年、口腔内疾患はさまざまな全身疾患と関連していることが報告されており、口腔の健康状態は全身の健康状態と密接に関連しています。毎日の習慣としての歯みがきやマウスウォッシュなどのオーラルケアは、お口の健康を守るだけではなく、全身の健康を守ることにもつながります。
本講座では、世代を問わず老若男女多くの人々が罹患している歯周病をはじめとした口腔疾患に対して、口腔病理学的および分子生物学的な研究アプローチを用いた基盤研究に基づいた、新しい口腔炎症制御法の研究を行います。また、将来的に歯学分野の臨床講座と連携して新しい口腔炎症制御法の有効性を検証するための臨床研究を展開して行きます。
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歯学分野初の共同研究講座誕生!
左から、芝共同研究講座助教、谷本歯学部長、宮内教授
2.本講座の設置に至った経緯
アース製薬は1892年の創業以来、人々の健康と快適な生活の実現に向け、常に「お客様目線」を大切に、日常生活へ寄り添った数々の製品開発に取り組み続けています。当社のオーラルケア製品である「モンダミン」は日本でまだ洗口液が一般的でなかった1987年に「日本人が毎日使いたくなるような洗口液」をコンセプトで誕生しました。発売から35年経った現在もコンセプトは変わらず、一貫して使いやすさと使用実感にこだわり、製品開発を行っています。
2017年から広島大学と歯周組織の炎症病態に着目した共同研究を実施してきましたが、この度、広島大学とアース製薬との産学連携をさらに強化、協働して研究を推進させるため、共同研究講座を開設、口腔病理学的および分子生物学的な基盤研究を推進し、より良いオーラルケア製品の開発に繋げていきたいと考えております。
3.本講座での研究概要
広島大学大学院医系研究科口腔顎顔面病理病態学の宮内教授を中心にアース製薬の芝研究員が共同研究講座助教として研究を進めてまいります。口腔疾患の病態モデルの作製、病態モデル試験系を用いた抗炎症成分の探索、候補成分の抗炎症メカニズムの解明等を口腔病理学的、分子生物学的アプローチによって明らかにするとともに、口腔疾患への有用性を検証していきます。
4.共同研究講座の概要
1.講 座 名:口腔炎症制御学共同研究講座
2.設置場所:広島大学大学院医系科学研究科
3.設置期間:2022年4月1 日 〜 2024年3月31日
4.研究体制:宮内睦美(口腔顎顔面病理病態学講座・教授併任)
芝 典江(口腔炎症制御学共同研究講座助教)
5.研究代表者からのメッセージ(広島大学大学院医系研究科 口腔炎症制御学共同研究講座 教授 宮内睦美)
歯周炎は、世界的に最も一般的な感染症です。重症化するまでほとんど症状のない “軽微な慢性炎症” で、全身の疾患に悪影響を及ぼすことが知られています。私共は、歯周炎と心房細動、早産や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の関係について、本学口腔感染症プロジェクト研究センターを中心としたグループで基礎的研究を行い、歯周炎とこれらの疾患を繋ぐmissing linkを解明するとともに、その結果に基づいた疫学研究や前向き介入研究などの医科歯科連携研究を展開しています。全身疾患のリスクとなる口腔細菌を明らかにし、感染確認のための検査方法を確立すること、未病状態のうちに口腔環境を健康に戻すことで重大疾患の発症や進行を未然に防ぐ未病医療を確立することを目標として、健康長寿社会の実現に向けた研究活動を展開してまいります。
本共同研究講座の開設により、大学と企業が協働することで、基礎研究に基づいたオーラルケア製品開発の実現に繋がることを期待しています。「口は災いの元」と言います。本来の意味とは異なりますが、口腔疾患を改善することで、より質の高い健康な生活が送れるよう貢献していきたいと考えています。