プレスリリース
【愛知学院大学】ベトナムにおける心理リハビリテーションを通した発達障害児等支援指導者の育成事業、報告会を1月13日に開催
愛知学院大学(所在地:愛知県日進市、学長:引田弘道)は2022年1月13日、本学日進キャンパスにおいて「心理リハビリテーションを通した発達障害児等支援指導者育成事業」報告会を開催しました。本学はJICA 草の根技術協力事業「心理リハビリテーションを通した発達障害児等支援指導者育成事業(2018年8月〜2021年1月)」を通じて、ベトナムの中でも障害児・者の割合が多く、特別支援教育を実践する指導者らのニーズも高まっているダナン市において、心理・障害児教育・福祉等の分野で活用している心理リハビリテーション(動作法)の指導者支援を実施してきました。この動作法を取り入れた障害児等支援は、日本で開発され、海外でも活用がされ始めているものです。
ベトナムでは2歳以上の人口の7%以上(620万人)が障害を持ち、13%に相当する1,200万人が障害を持つ親族と共に暮らしていると言われており、今後は高齢化とともに更にその割合が増加すると予想されています(ベトナム統計総局2016年-2017年)。ベトナムの中でもダナン市は障害児・者の割合が高く、ベトナム政府も障害者への支援を重要な課題と位置づけていました。
今回の取り組みを全面的にサポートしてきたのが、本学心身科学部の吉川吉美教授です。ダナン市での取り組みは約11年前、同市の特別支援学校に派遣されていたJICAボランティア隊員の手助けのつもりで、ダナン師範大学の先生や、特別支援学校の先生達に動作法を紹介したのがきっかけでした。以降、毎年2回ほど同市に来て動作法の研修会を行い続け、ベトナム内で動作法の研究会もできるまでになりました。そして、活動をもっと広げようと、JICA草の根技術協力事業に応募、同事業としての活動が2018年からスタートしました。
本学と学術交流協定を結んでいるダナン師範大学を中心に、心理リハビリテーションの実践および指導、保護者への指導、障害児・者への生活指導ができるよう指導者育成のためのカリキュラムを作成し、研修を実践してきました。
本プロジェクトでは、単なる翻訳ではなく、ベトナム人によって現地の状況に即したテキストを作り、動作法を覚えた人が施設や学校で動作法を実践し、2年間で動作法を体験した人(受益者)が300人を達成できる事を目標として活動してきました。
今事業において日本からベトナムへ11度、ベトナムから日本へ1度往来し、新型コロナウイルスという予想外なことが起こりましたが、ウェブで連絡をとりながら半年間期間を延長し、プロジェクトを進行。
2021年1月の本プロジェクト終了を迎えましたが、結果、動作法の体験者数は700人ほどになり、大きくこの活動を広げることができました。
報告会では、吉川吉美教授は「当初計画していたベトナム中部ダナン市だけでなく、他地域にも活動が展開したことにより、目標を大きく上回る成果が得られました。ダナン師範大学の先生方などのプロジェクト参加者はもちろん、通訳やコーディネーターの方の力も大きく、感謝しています。今回のプロジェクトでベトナムにおける心理リハビリテーションとしての動作法普及の基盤は整ったと考えている。今後も継続、持続させていきたい」と語りました。
当日は報告会に参加した方からは「日本で開発された動作法の、ベトナム以外の国での展開はどうなのか」「動作法は脳神経学とも関連があると思われるが、今後医学との連携の予定があるのか」等の質問が寄せられました。
■「心理リハビリテーションを通した発達障害児等支援指導者育成事業」報告会に関する概要
【日時】 2022年1月13日(木) 15:10〜17:00
【会場】 愛知学院大学日進キャンパス けやきテラス 3階ホール
【内容/登壇者】
・JICAの活動および草の根技術協力事業の紹介
桝田由衣 (独立行政法人国際協力機構中部センター【JICA中部】市民参加協力課)
・本事業の報告
吉川吉美 (愛知学院大学 心身科学部 教授)
・司会
伊藤拓也 (愛知学院大学 心理臨床センター 特任講師)
【草の根技術協力事業】
日本のNGO、NPO、自治体、大学、企業などがこれまでに培ってきた技術や経験を生かして、開発途上国の課題を解決する活動をJICAが支援し、共同で実施する事業です。
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