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プレスリリース
全国各地の自治体が「ノロウイルス食中毒注意報」を発令中! アルコール消毒では感染予防が難しいノロウイルス・ロタウイルス。 専門医監修のもと、感染予防策と感染性胃腸炎の発症予防策を解説
〜ビオフェルミン製薬が感染経路を可視化し、研究内容についても紹介〜
昨年12月以降、全国各地の自治体が「ノロウイルス食中毒注意報」を発令しています。ノロウイルスは、手指や食品を介して経口で感染します。下痢や嘔吐、発熱などを伴う感染性胃腸炎を発症し、更に重症化すると脳症によって死亡するケースもあるほど恐ろしいウイルスです。例年、空気が乾燥する12月〜1月頃にかけて感染者数がピークとなり、3月頃まで多い傾向にあります。特に子どもや高齢者は重症化しやすいと言われています。
また、ノロウイルス流行と入れ替わるように、3月〜5月頃には乳幼児を中心にロタウイルスによる胃腸炎が多く発生する傾向にあります。就学前の子どもの約半数がロタウイルス感染症で小児科外来を受診すると言われており、乳幼児がいる家庭では意識的な対策が必要です。
そこで、これからの時期に気をつけたいノロウイルス・ロタウイルスの感染および発症予防策を、感染症専門医である前田 正先生に監修いただき、ビオフェルミン製薬株式会社(本社:神戸市、社長:久乗 俊道)が紹介します。
■ノロウイルス・ロタウイルスの感染経路とは?わずか10個のウイルスで感染する可能性も!
ノロウイルスやロタウイルスは、10個から100個程度のウイルスが口に入ることで感染し、発症する可能性があります。また、ノロウイルスは二枚貝の生食、感染した調理人による食品の二次汚染、感染者の便や嘔吐物を介した二次感染など、人から人へと感染が広がります。
当社は以前、身の回りのものに細菌がどれくらい付着しているのかを調査し、スマートフォンや財布など、普段手にするものに多くの細菌が付着・繁殖していることを可視化しました。ノロウイルスやロタウイルスも細菌と同様に普段から使用している物に付着している可能性もあるため、食事前には手洗いをするなど、マスク生活が続く中でも経口感染には十分な注意が必要です。
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■ノロウイルス・ロタウイルスの代表的な感染症状「感染性胃腸炎」と治療法は?
ノロウイルスやロタウイルス感染が原因で引き起こされる「感染性胃腸炎」の一般的な症状には、嘔吐・吐き気・下痢・腹痛等が挙げられ、発熱を伴うこともあります。潜伏期間は、通常24〜48時間と言われています。
原則として治療は支持療法のみです。脱水になってしまったら点滴をする、お腹を壊してしまったら整腸薬を使うなどで、抗菌薬は使用しません。下痢や嘔吐により体内から多くの水分が失われるため、何よりも脱水症にならないように対策を行うことが重要です。
■アルコール消毒が効かない!感染予防の鍵は「手洗い」と「腸内細菌叢のコントロール」
新型コロナウイルス感染症が拡大する中、アルコール消毒が習慣化しつつあります。しかし、ウイルスの中にはアルコールで死滅するものとそうでないものがあり、新型コロナウイルスがアルコールで死滅する一方、ノロウイルスやロタウイルスはアルコール消毒が効きにくいウイルスです。そのため、「手洗い」によって物理的にウイルスを落とすことが感染予防においては最も重要です。
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以前、当社主催セミナーにおいて、手洗いによってどれだけ汚れを落とすことができているか実験を行いました。汚れに見立てた蛍光ローションを手に付着させ、手を洗った後にブラックライトを当てると、洗い残している箇所が光る仕組みです。意識して手洗いをしても、爪や指の間・指先などは汚れが取れにくい傾向にありました。手洗いのみで完全に感染を予防するのは難しいことが分かります。
手洗い以外に日常生活でできる有効な感染対策としては、「生ものの十分な加熱処理」、「貝類などの摂取を控えること」、「腸内細菌叢のコントロール」等が挙げられます。
腸は「第2の脳」とも言われ、腸内細菌叢は腸内のみに限らず、糖尿病やアルツハイマー病など神経との関連も次々と報告され、研究が進められています。前田先生は、「腸内細菌叢をコントロールすることは、ノロウイルス感染の予防法の一つとして考えられるだけでなく、様々な疾患の予防・治療に有効な可能性がある」といいます。
食事や運動、睡眠など、生活習慣を整えることや乳酸菌やビフィズス菌を取り入れるなどで善玉菌優勢な腸内環境に整えることも感染予防として有効かもしれません。
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<ウイルス感染者の嘔吐物・排泄物の処理方法>
嘔吐物の処理は、1000ppm次亜塩素酸ナトリウム50mlを水1リットルに混ぜ清掃を行います。ウイルスを広めないため処理はできるだけ最少人数で行います。使い捨ての手袋、マスク、ふき取るためのタオル、袋を用意します。まき散らさないように外側から内側へ嘔吐物を集めて袋に入れ、そこに次亜塩素酸ナトリウムを染みこませます。使用した手袋や袋等は処分します。処分が難しい場合は、0.02%の次亜塩素酸ナトリウムに30〜60分つけた上、他の洗濯物とは別に洗濯を行います。処理後は必ず手を洗います。よく手を洗い、なるべくトイレの共有を避けるなど、接触感染対策を徹底することが重要です。
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■ロタウイルスは2020年から0歳児のワクチン接種が原則無料に
ロタウイルスは保育園や幼稚園で集団発生することもあり、嘔吐や下痢症状が強く、最悪の場合脳症や嘔吐下痢症など、重症化するケースもあります。
ほとんどの未就学児が感染すると言われる中、令和2年10月1日より、令和2年8月以降に生まれた0歳児を対象にロタウイルスのワクチンが定期接種に加わり、原則無料となりました。ワクチンは経口タイプで、定期接種として、出生6週0日後※1から接種を受けることができます。初回接種の標準的接種期間は生後2月※2から出生14週6日後※3までとされています。
発症人数が抑えられ、入院受療率を約90%減少するとの報告もあり、重症化脳症など重い合併症を防ぐことが期待されます。
※1 出生6週0日後:生まれてから6回目の、生まれた日と同じ曜日
※2 生後2月:生まれてから翌々月の同日の前日
※3 出生14週6日後:生まれてから15回目の、生まれた日と同じ曜日の1日前
■ビフィズス菌は感染性腸炎の発症を抑制する可能性も(ビオフェルミン製薬の研究)
感染性胃腸炎は手洗いのみで完全に感染を防ぐことは非常に難しいため、菌やウイルスが体の中に入ってしまった後に、発症させないことも大切です。当社ではロタウイルスに感染したマウスに、ビフィズス菌を投与し「腸内細菌叢のコントロール」を行う実験をしました。まず、ウイルス感染前に予防的な投与を行ったところ下痢の抑制に成功。続いてウイルス感染後に治療的な投与を行ったところ、下痢の抑制に加え、ウイルス増殖の抑制、小腸の損傷軽減が認められました。
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ビフィズス菌のロタウイルス感染に対する影響は、ロタウイルスに特異的な反応ではないと考えられるため、その他のウイルスによる感染性胃腸炎についても、ビフィズス菌が良い影響を与える可能性があると考えられます。
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ノロウイルスやロタウイルスは、誰もが、注意していても感染する可能性があり、例年、学校や保育施設において集団感染が発生しています。
まずは家庭や学校、保育施設など、それぞれにおいて手洗いの徹底や乳幼児のワクチン接種など感染対策を行うことが大切です。
その上で、感染した際の感染性胃腸炎の発症や重症化を防ぐため、規則正しい生活習慣やビフィズス菌の摂取などにより、腸内細菌叢を整えることも意識してみてください。
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<参考>
厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」(最終改定:令和3年11月19日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
厚生労働省「ロタウイルスに関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/Rotavirus/index.html
厚生労働省「ロタウイルス」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou03/rota_index.html
<監修者>
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前田 正先生
東邦大学医療センター大森病院 総合診療・急病センター(内科) 講師。
日本感染症学会専門医・指導医。
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感染性胃腸炎に関するビオフェルミン製薬の最新研究についてご紹介可能です!
<担当者>
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山下 明子
ビオフェルミン製薬 学術情報グループ 薬剤師
腸内細菌や乳酸菌の最新研究に基づく専門知識をベースに、医療関係者や一般市民を対象とする研修・講座などで、腸の健康やセルフメディケーションについて講演。
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〜ビオフェルミン製薬について〜
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大正6年創業以来「乳酸菌のくすりで、おなかの健康を守り、すべての人が健やかに暮らせる社会に貢献する」を理念としております。数千種の細菌からなる腸内フローラに早くから着目し、そこで果たす乳酸菌の効果を追求することで、おなかの健康を支えてまいりました。幅広い領域で未知の可能性を探求し、乳酸菌の新たな価値を創造し、提供してまいります。
■会社概要
会社名: ビオフェルミン製薬株式会社
設立: 1917年(大正6年)2月12日
本社住所: 〒650-0021 神戸市中央区三宮町一丁目1番2号三宮セントラルビル12階
会社HP: https://www.biofermin.co.jp