プレスリリース
YCU-CDC×大成建設 ウェルビーイングを実現する新しい都市像 Enabling City(イネーブリング・シティ)の実証実験を開始
横浜市立大学先端医科学研究センター コミュニケーション・デザイン・センター(センター長:武部貴則特別教授 以下、YCU-CDC)は、大成建設株式会社(社長:相川善郎)が取り組んでいる仮設型ワークプレイス『ウエルネス作業所』のモデル現場である 赤坂中学校等整備工事(東京都・港区)において、「イネーブリング・シティ」に関する実証実験を開始しました。
YCU-CDCは、2021年1月に目標検討チームとして採択された「JSTムーンショット・ミレニアプログラム」の調査研究の成果として、ウェルビーイングを、幸福(Happiness)を基軸とする主観的ウェルビーイングと健康(Health)を基軸とする客観的ウェルビーイングの2 軸から整理を図ることで、双方を高めることの可能な因子である「Enabling Factor(イネーブリング・ファクター)」という新概念を浮かび上がらせることに成功しました(図1)*1。
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図1 ウェルビーイング(Well-being)を実現するイネーブリング・ファクターの概念図
(健康(Health)のみならず、幸福(Happiness)を促すイネーブリング・ファクターを定義。特に、幸福を高める経路に着目し、種々のイネーブリング・ファクターの都市レベルでの実装を試みるのがイネーブリング・シティの考え方。)
この「イネーブリング・ファクター」が具現化され、実装された都市を「イネーブリング・シティ」と定義し、特に、主観的ウェルビーイングの向上を経由した介入の有効性の実証に向けて様々な研究に着手しています*2。
今回、大成建設株式会社が既に導入を開始している『ウエルネス作業所』*3をフィールドとして、建設現場で働く人々のために開発された多様な『ウエルネスレシピ』*4を活用することで、空間に紐付いた主観的な幸福度を計測する手法を構築し、「イネーブリング・シティ」を実証していくための効果測定モデルの開発を目指します。
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(大成建設株式会社より提供)
図2ウエルネスレシピのカテゴリーと例
実証実験の概要
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赤坂中学校等整備工事作業所では、既にウエルネスレシピが空間に配置され、社員・作業員からヒヤリング調査などを行ったものの、その効果測定の方法は定まっていないのが現状でした。そこで、作業所で働く人々の主観的ウェルビーイングがどのように変動しているのかを捉える方法を模索するために、レシピ介入がなされている作業所内約20箇所を対象に、簡易に主観の状態を表現できるボタン『HappyOrNot スマイリーターミナル*5』を1月中旬より配置し、その方法の有効性を検証するとともに、収集された主観データを分析することでレシピが意図通りの効果を発揮しているかを検証していきます。
この実証実験の成果は、都市の中のイネーブリング・ファクターの発見・評価方法の確立に役立てていきます。
注釈
*1 Enabling Cityに関する調査報告書:
https://www.jst.go.jp/moonshot/program/millennia/pdf/report_12_takebe.pdf
*2 本件以外の研究事例:Enabling City Walk! 〜イネーブリング・ファクターを地図上にマッピングしていくための街歩きイベント https://www.hamakei.com/headline/11619/
*3 ウエルネス作業所:建築・土木のものづくりの最前線である作業所を仮設型ワークプレイスととらえ、作業の負担軽減や作業環境の改善に加えて、社員・作業員間のコミュニケーション促進や心身の健康増進に配慮した空間づくりにより、現場における生産性やウェルビーイングの向上を目的とした魅力的な職場環境を実現する大成建設株式会社の取組み。
*4 ウエルネスレシピ:作業所では、工事の規模、期間などが個々で様々であり、臨機応変な職場環境づくりが求められる。大成建設株式会社は作業所ごとのニーズに応えるため、作業所環境に関する多彩な選択肢「ウエルネスレシピ」を作成した。レシピの中から最適な項目を選択・適用することで、ニーズに則した空間づくりを随時更新することが可能(図2)。
*5 HappyOrNot スマイリーターミナル:
https://happyornot.alohaworks.jp/products-and-services/smiley-terminal/
(図3)
横浜市立大学先端医科学研究センター コミュニケーション・デザイン・センター
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ヘルスケア分野のコミュニケーション課題解決を目指す、世界初の医科学研究機関におけるクリエイティブ研究拠点です。医科学研究の拠点においてクリエイティブ研究のための持続可能な開発体制を構築し、コミュニケーションの力を使って、ひとびとの健康や幸福に寄与すること、ひいては、超高齢社会に対応した新たな社会のあり方を提案することを目指しています。 http://y-cdc.org/
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本件に関するお問合わせ先
横浜市立大学 広報課
E-mail:koho@yokohama-cu.ac.jp