プレスリリース
シュローダー(本社:英国 ロンドン)は、グリーンコート・キャピタル・ホールディングス社(以下「グリーンコート」)の株式の75%を3億5,800万ポンドで取得することに合意したことを発表しました。
グリーンコートは、67億ポンド(2021年11月30日時点)を運用する欧州最大級の再生可能エネルギー・インフラの運用会社です。
上場・プライベート市場を対象とした大規模再生可能エネルギー・インフラ投資のパイオニアであり、2021年3月31日までの過去4年間で、運用資産総額は年率で約48%拡大しました。
2021年11月30日までの12カ月間で、私募ファンドと上場ファンドを合わせ、16億ポンドの資金調達を行いました。
シュローダーとグリーンコートは、重要かつ急成長中のこの投資分野において、グローバルリーダーとなることを目指しています。グリーンコートのビジネスには、2つの重要な成長機会があります。
世界的なネット・ゼロへの移行:欧米の再生可能エネルギー市場は2030年までに1兆ドル以上成長すると予測されています。
機関投資家からの需要:サステナビリティに対するコミットメントを満たすため、環境に配慮した戦略への需要は大きく、かつ加速しています。
シュローダー・グループの一員となることで、グリーンコートは、シュローダーの顧客ネットワーク、サステナブル投資の運用力、運用経験、ブランド力を活用し、運用力と顧客サービスをさらに向上させます。グリーンコートは、シュローダーのプライベート・マーケット部門であるシュローダー・キャピタルの一員となり、シュローダー・グリーンコートとなる予定です。
グリーンコートについて
グリーンコートは、2009年に設立し、風力、太陽光、バイオエネルギー、熱エネルギーなど、再生可能エネルギー・インフラ投資に特化した運用会社です。英国、欧州、米国の約200の発電施設が投資先に含まれ、その純総発電量は3ギガワットを超えています。
グリーンコートの投資戦略は、投資対象資産の特性を反映し、通常、無期限または期間25年に設定されています。グリーンコートは、英国ポンド建て、ユーロ建ての再生可能インフラ上場投資会社を運用しており、急成長中の29億ポンド(2021年11月末時点)にのぼるプライベート・マーケット・ビジネスには英国の大手年金基金からの受託も含まれています。これらの戦略は、長期的に元本を保全しながら、「着実なインカム」に近いリターンを提供することを目的としています。
グリーンコートは、着実なパフォーマンスを提供する能力を示し、優れた評価を得ています。長年にわたって貢献してきた強力で経験豊富なチームを擁し、運用知識の深さと質の高さで知られています。創業者のローレンス・フマガリ、ベルトラン・ゴーティエ、スティーブン・リリー、リチャード・ノースの4人が同社を率いています。今後も、運用プロセスの独立性と、シュローダーとも親和性の高い独自の企業文化を維持しつつ、事業を運営していく予定です。
戦略的根拠
今回の取引は、包括的なプライベート・アセット・プラットフォームを構築し、サステナビリティにおけるリーダー的地位を強化するというシュローダーの戦略に沿ったものです。世界各国の政府がネット・ゼロの実現に向けたエネルギー転換を加速させようとしている中、民間資本の重要性はますます高まっています。再生可能エネルギーは、気候変動の影響を緩和するために、世界経済にとって最も重要といえる変革を支援できる分野です。また、長期的に着実な収益を提供する資産に対して、投資家からの強い需要が見られます。
欧米の再生可能エネルギー市場は、2030年までに1兆ドル以上成長すると予測されています。シュローダーは、あらゆる種類の再生可能エネルギーへの投資、運用に注力し、世界的な投資機会を活用できると考えています。
シュローダー グループCEO ピーター・ハリソンのコメント:
「グリーンコートの運用チームがシュローダー・グループの一員となることを、嬉しく思います。グリーンコートは、優れた経営陣を擁し市場をけん引する高成長企業であり、シュローダーの顧客からも強い需要のある大規模で急成長する市場への投資機会を提供しています。グリーンコートの企業文化は、シュローダーの文化と親和性が高く、グリーンコートが注力する事業は、最も魅力的な成長分野における運用力を拡大し続けるというシュローダーの戦略に一致するものです。」
「これまで行ってきた買収では、運用チームの統合に成功し成長を続けてきました。グリーンコートの強みを維持しつつ、両社の強みを活用できると確信しています。」
グリーンコート創業者 リチャード・ノース氏のコメント:
「シュローダーが再生可能エネルギー投資の可能性を理解し、私たちと共にグローバルリーダーを目指すパートナーとなったことを嬉しく思っています。英国とアイルランドで市場をけん引する再生可能エネルギー運用会社であり、欧州における強力なプラットフォーム、米国への拡大と、素晴らしい実績を残してきたチームを非常に誇りに思います。」
「このチームの運用力に、シュローダーのグローバルな顧客ネットワークや専門知識が加わることで、再生可能エネルギーセクターの1兆ドルにものぼる投資機会と、世界のネット・ゼロへの移行を支援する機会を顧客に提供することが可能になります。」
以上
■シュローダー・キャピタル
シュローダー・キャピタルは、投資家の皆さまに、幅広いプライベート・アセットへの投資機会、ポートフォリオの構成要素、カスタマイズされたプライベート・アセット戦略へのアクセスを提供します。プライベート・マーケットにおけるすべての資産クラスにおいて、直接投資とソリューションを組み合わせ、業界最高水準のリスク調整後リターンを提供することに注力し、20年以上にわたり事業を展開しています。シュローダー・キャピタルは、パフォーマンス、コラボレーション、高潔に特長づけられた文化を基盤に、厳格なアプローチにより持続的に魅力的なリターンを達成することを目指しています。
650億ドル*を運用するシュローダー・キャピタルは、不動産、プライベート・エクイティ、セカンダリー、ベンチャー・キャピタル、インフラストラクチャー、証券化商品、プライベート・デット、保険リンク証券、インパクト投資(ブルーオーチャード)など、多様な投資戦略を提供しています。
*2021年3月31日現在
■シュローダー・グループのESGの取組み
「質の高いコーポレートガバナンス体制を確立し、本業を通じて、環境や社会の変化および課題解決に対応する企業は、長期的に企業価値の向上と持続的成長が期待できる」という考えのもと、シュローダーは20年以上、ESGの要素を取り込んだ運用を実践しています。
ESGの観点を加味した運用を通じて、社会や環境にインパクトを与える真の企業価値向上を促すと同時に、社会や経済全体の利益となり、投資収益の拡大にも繋がることを目指しています。
■シュローダー・グループの概要
シュローダー・グループは、資産運用サービスを通じてよりよい未来への貢献を目指す、英国屈指の独立系資産運用グループです。ロンドン証券取引所に上場しています。1804年の創業以来200年以上にわたり、年金基金から機関投資家、個人投資家まで、世界の投資家に、長期的な視点に立ち幅広い投資ソリューションを提供しています。現在、運用資産総額は約107兆円*に上ります。
日本とのかかわりは古く、1870年(明治3年)、日本初の鉄道敷設のために日本政府が初めて発行した国債の主幹事を、シュローダーが務めたことにさかのぼります。1974年には東京事務所を開設し、日本における事業の本格的な第一歩を踏み出しました。幅広い資産運用サービスを提供する現在も日本株式運用を事業の中核の一つに据え、約150年前と同様、日本の未来への投資を通じて歴史を紡いでいます。
※2021年6月末現在。*7,004億英ポンド、1英ポンド=153.32円換算。
※本資料におけるシュローダー・グループとは、シュローダーplcを直接もしくは間接的に親会社とする会社などを言います。
関連リンク
シュローダーの視点
https://www.schroders.com/ja-jp/jp/asset-management/insights/