プレスリリース
株式会社ブランド総合研究所は、このたび都道府県ごとの住民に対し、各地でのSDGsへの取り組みや、自らのサステナブルな行動などについての実態を明らかにする「地域版SDGs調査2024」を実施し、その結果をまとめました。
この調査は、各都道府県の住民をそれぞれ500人以上を年代、性別にほぼ均等になるように抽出し、今年8月に実施しました(総回収数25,948人、うち有効回答数23,412人)。SDGsに関する理解度や、自らの購買時のSDGsへの意識、SDGs活動への取組意欲などを聞いたほか、居住している都道府県でのSDGsへの取り組みの評価、17ゴール別での評価などを明らかにしました。また、地域に本社や由来のある有力企業のサステナビリティ貢献度などについても調査を行っています。
各都道府県に在住している住民に、「△△県はSDGs達成のために積極的に取り組んでいると思いますか」(△△には各都道府県名を表示した)という質問をしたところ、「よく取り組んでいる」と答えたのは5.6%、「少し取り組んでいる」は24.1%でした。
この結果は前年までと比べると「よく取り組んでいる」との回答が増え(前年は、5.2%)、否定的な意見である「全く取り組んでいない」との回答が7.2%と前年の12.7%よりが少なくなっています。
◆1位は福島県、2位東京、3位熊本県
この結果を居住している都道府県ごとに集計しました。すなわち、「SDGs達成のために積極的に取り組んでいる」住民が多い都道府県の比較です。
その結果、住民によるSDGsへの取り組みの評価が最も高いのは福島県となりました。同県の評価指数は56.1点で、前年の53.5から2.6点の上昇となり、順位は前年3位からの上昇となり、初の1位です。
同県の住民のうち31.0%が同県での「7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」への取組を評価しており、これは全国で最も高い結果となりました。同様に、16.1%が「12.つくる責任、つかう責任」、16.9%が「13.気候変動に具体的な対策を」に取り組んでいると答えており、いずれも全国で最高となっています。
※ SDGs評価点=(「よく取り組んでいる」×100点+「少し取り組んでいる」×75点+「どちらともいえない」×50点+「あまり取り組んでいない」×25点+「全く取り組んでいない」×0点)の平均
2位は前年13位だった東京都で、SDGs評価は55.3点で、前年の50.5点より4.8点の大幅増となりました。
「2.飢餓をゼロに」、「5.ジェンダー平等を実現しよう」、「17.パートナーシップで目標を達成しよう」などの評価が全国で最も高かったのが特徴的です。
3位は熊本県。「6.安全な水とトイレを世界中に」、「9.産業と技術革新の基盤を作ろう」、「11.住み続けられるまちづくりを」への評価が高い結果です。
4位は長野県。順位は前年の2位から低下していますが、SDGs評価点は54.7点と前年の53.8点より上昇しています。
5位の鳥取県も、54.0点と前年の53.4点より上昇していますが、順位は前年の4位からひとつだけ下がっています。
◆SDGsゴール別では、「11.住み続けられるまちづくりを」が最も多い
次に、各都道府県でのSDGsの17ゴールごとの評価を、住民に評価してもらった。
その結果、各地で取り組まれていると住民が評価している人の割合が多いのは、ゴール11「住み続けられるまちづくりを」で34.2%で、前年の32.6%より1.6ポイント増加しています。
ゴール3「すべての人に健康と福祉を」で30.1%はコロナ禍が過ぎたことが影響し、前年より0.6ポイント減少しています。
3番目に高いのはゴール14「海の豊かさを守ろう」で27.2%で、前年の26.7%より増加している。17のゴールの中でこれら3項目が他よりも高くなっています。
4番目は「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」で18.6%、そして「質の高い教育をみんなに」の17.7%となっています。
なお、17ゴールの中で最も少なかったのは「パートナーシップで目標を達成しよう」で8.3%でした。
「取り組んでいると思うものはない」との回答は25.1%で、前年の27.8%より2.7ポイント減少しています。つまり、何らかの取り組みについての評価が高まっているということですが、17ゴールのうち前年より増加したのは10項目あり、残りの7項目は前年より減少しています。つまり、項目によって明暗を分けるという結果になっています。
◆購買時にSDGsを意識する人は34%。若年層は二極分化か
「あなたは商品やサービスを選ぶときに、SDGsを意識していますか」という設問に対し、「常に意識している」、「意識することがある」、「どちらでもない」、「あまり意識しない」、「意識したことがない」の5段階で回答してもらった結果を、「SDGs購買」として算出しました。
47都道府県平均では、「常に意識している」と回答したのは4.3%で、「意識することがある」は30.0%でした。およそ3人に1人がSDGsを意識していることになります。なお、「意識したことがない」は14.0%でした。
なお、SDGs取組意欲で「積極的に取り組みたい」と回答した2018人のうち、「常に意識している」と回答した人は80.9%だったのに対し、「できれば取り組みたい」と回答した10,015人のうち「常に意識している」と回答した人は10.1%。取組意欲とSDGs購買とは強い相関関係にあることがわかります。
この結果を、回答者の年代別で分析してみると、30代以上は年代が高いほどSDGs購買度も高くなる傾向にあります。
ただし、20代では「常に意識している」が5.6%と60代以上よりも高くなっています。その一方で「意識することがある」との合計は33.3%で、50代や60代を下回っています。また、「意識したことがない」との回答は14.9%と決して少なくはなありません。
若い世代ではSDGs購買に関しては人によって行動や考え方が大きく異なっている”二極分化”している可能性があるようです。
◆SDGs購買が最も高いのは沖縄県
47都道府県別のSDGs購買を、各都道府県に居住している人の平均を算出したところ、47都道府県中で最も購買度が高かったのは沖縄県で50.8点。「あまり意識しない」と「意識したことがない」の合計は30.5%と47都道府県の中で最も少なくなっています。
2位は熊本県で50.4点。「常に意識している」と「意識することがある」の合計では40.2%と都道府県の中でも唯一40%を超えています。
3位の福井県は「意識したことがない」との回答が8.2%と、全国で最も少なくなっています。1位の沖縄県との購買度の差は1ポイントと僅差であり、2位の熊本県のほか、4位の福島県、5位の島根県も含めて、上位の都道府県の結果を比較しても、あまり大きな差が生じているとは言えません。
13位の東京都は、「常に意識している」との回答が9.3%と、他県と比べても突出して多くなっています。その一方で、 「意識したことがない」との回答も18.1%と北海道に次いで2番目に多くなっています。東京都はSDGs購買に関して推進派も多い一方で、非実行派も多いという二極分化が進んでいるようです。
SDGs購買度が最も低くなったのは北海道で42.7点。「意識したことがない」との回答が19.4%と最も多く、「あまり意識しない」との合計では43.1%と、こちらも全国で最も多くなっています。
◆調査概要
・ 調 査 名 地域版SDGs調査2024(第6回)
・ 調 査 方 法 インターネット調査
・ 調 査 票 47都道府県ごとに調査票を作成
・ 回 答 者 登録している調査パネルから、居住している都道府県別に同数となるように抽出
・ 有効回答数 23,412人(都道府県平均は498人)
・ 調査 時期 2024年8月6日 〜 8月19日
・ 設 問 数 10問(+回答者属性)
<調査報告書>
※金額はすべて税込み
基本セット: 99,000円 総合報告書+個別報告書
総合報告書: 68,200円 A4判 約220ページ
個別報告書: 48,400円 A4判 約30ページ
個別調査パッケージ: 385,000円〜 ご指定の市またはエリアのデータ追加調査を行い報告書を作成します。
データパック47: 396,000円 個別報告書全都道府県47冊分の完全版(冊子+データ)
(オプション)データCD:+22,000円 総合報告書のデータ版
(オプション)報告会・セミナー:調査結果をもとにした報告会、セミナーまたは、研修会を実施
<報告書注文ページ>
https://news.tiiki.jp/form/regional-sdgs2024
<報告書パンフレット>
https://news.tiiki.jp/data/contentFile/4902/%E2%98%85%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E7%89%88SDGs%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%952024.pdf
<その他SDGs調査関連記事>
https://news.tiiki.jp/sdgs
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