プレスリリース
9月2日〜8日、イタリアのヴェネチアで開催されたヴェネチア国際映画祭に樽谷大助監督・増山麗奈監督が参加した。両監督が役員を務める一般社団法人ユーラシア国際映画祭がヴェネチア国際映画祭の公式認定映画製作・買付団体として選ばれ正式招待された。
ヴェネチア国際映画祭では、サルコジ元フランス大統領と樽谷監督が対話し、ヴェネチア国際映画祭主催のアルべルト・バーバラ会長を囲み、プログラムディレクターのアンジェラ・サポルディらと来年の映画祭での樽谷・増山両監督製作映画上映についてレッドカーペットの上で会談を行った。また、イタリアを代表するルチアーノ・シリギーニ・ガラニャーニ監督と日本イタリア合作の映画企画について取り組みを始めた。
ヴェネツア映画祭では、AI産業革命に抗議ストライキ中のハリウッド俳優らが参加せず、アメリカ映画が参加はゼロ。またウクライナ戦争の問題を受けて、ロシア監督作品も全て排除されていた。
「監督の実母の出身地であるローマの歴史や神話を丁寧に追っていく映画「AMOR(アモーレ)」(ビエギニア・エレウテリ・セルピエリ監督・イタリア映画)など、じっくりと自らのルーツに向き合う良質なヨーロッパの作品が多い印象でした。コロナパンデミックを経て、“集中して内側へ”と地球レベルで意識が変化していると感じました」(増山麗奈監督)
その後、両監督はロシアへ移動。9月10日から14日までロシアのアムール州ブラゴベシチェンスク市で開催されたアムールの秋映画祭に参加した。
アムールの秋映画祭は外国人参加者は稀で、ロシア映画を中心とした映画祭。中国の映画関係者のほか、日本からは樽谷・増山映画監督二人がロシアアムール州政府より招聘を受けた。
表現に対しての規制の厳しいロシアでは、上映は簡単には行かなかった。
樽谷監督はロシア入国時に空港で七時間、入国管理局によって拘束された。
「ウクライナでの渡航歴のある私は、パスポートチェック中に別室に移動させられ、七時間携帯電話を奪われ、4名の職員に囲まれ尋問を受けました」(樽谷)
当初9月12日に行われるはずだった「ダイバシティユナイテッド」(樽谷大助監督)、「サファイア」(夜西敏成監督)などの日本映画上映は、上映六時間前にロシア政府保安庁からストップが入り上映中止を余儀なくされた。
しかし翌日13日朝「上映を楽しみにしている市民から声があがった。映画『サダコの鶴』だけは上映を行う」とアムールの秋映画祭実行委員会は発表。くしくも13日は、同じアムール州ボストーチヌイ宇宙基地でプーチン大統領と金正恩総書記会談当日であった。最も核兵器使用が懸念される二人のトップ会談日に同州政府主催映画祭にて、ロシア民衆の声により、核兵器廃絶を願う「サダコの鶴」上映が行われたことになる。
また、増山・樽谷は、ロシアの映画制作会社GODOKINOフォーラム社と会談し、両監督が取り組んでいる映画「歳三の刀」を来年のカンヌ映画祭に向けて完成させようと日露合意をした。
「戦争が早く終わり、世界が一つになった映画祭が早く開催されることを望みます。政治は映画に口を挟むべきではないと思います」(樽谷大助監督)
10月7~10日まで、韓国の釜山映画祭内プログラム『ACFE』ASIAN Contonts & Fim Marketでは、「サダコの鶴」のほか、ロシアで上映禁止になった作品「ダイバシティユナイテッド」など五作品がオンライン上映される。
分担する世界の中で西とロシア側双方に繋がりを持ち、樽谷・増山両監督の芸術を通じた活躍が期待される。