プレスリリース
レニオリシブ錠は、稀な原発性免疫不全症であるAPDSの4歳から11歳の小児を対象とした多国籍第III相試験です
ライデン、オランダ, 2023年2月23日 /PRNewswire/ -- ファーミング・グループN.V.(「Pharming」または「当社」)(ユーロネクスト・アムステルダム:PHARM)/(ナスダック:PHAR)はこの度、経口選択的ホスホイノシトイド3キナーゼデルタ(PI3Kδ)阻害薬であるレニオリシブについて、活性化ホスホイノシト3キナーゼデルタ症候群(APDS)の小児患者を対象とする第III相臨床試験(NCT05438407)の最初の患者が登録されたことを発表します。遺伝子変異に起因する複雑で進行性のあるこの病気には、現在、承認された治療法はありません。
本試験は、アメリカ、ヨーロッパ、日本の施設で、APDSと診断された4歳から11歳の小児患者約15名を対象に、レニオリシブの安全性、忍容性、有効性を評価する単群非盲検の多国籍臨床試験として実施します。本試験の主要評価項目は、12週時点におけるベースラインからの指標リンパ節サイズの縮小と全B細胞のうちナイーブB細胞の増加です。副次的評価項目には、有効な患者さん向けの質問票を用いた身体的、社会的、感情的、および学校での機能の測定に基づく、レニオリシブの健康関連QOLの修正能力の評価が含まれています。
Pharmingは、2023年第3四半期に、APDSを有する1歳から6歳の小児を対象とした同様の臨床試験を開始し、レニオリシブの新しい小児用製剤を評価することを計画しています。いずれかの小児試験に登録された適格な患者さんは、非盲検延長試験により、最初の12週間の治療期間の後、1年間レニオリシブの投与を継続することになります。
リチャード・スティーム冠講座、UCLA小児科教授、免疫・アレルギー・リウマチ部門長のマニッシュ・ビュート医師・博士は次のようにコメントしました。
「APDSの治療では、現在、様々な支持療法が標準的な治療法として用いられています。これらの治療法は、APDSの症状の一部を治療することができますが、疾患の根本的な原因を治療するものではありません。PharmingのAPDSの小児に対するレニオリシブの研究は、疾患進行の早い段階で症状を最小限に抑える可能性を評価するうえで重要です。」と述べています。
Pharmingの小児APDSを対象としたレニオリシブの臨床開発プログラムは、12歳以上の同疾患の患者さんを対象に実施した第II/III相臨床試験の良好なデータに裏付けられています。2022年2月2日に発表され、最近、アメリカ血液学会のの国際医療雑誌である ブラッド1、に詳述されたように、この試験では、レニオリシブ服用患者さんがプラセボに対して指標リンパ節サイズを測定したリンパ増殖の著しい減少、抹消血中のナイーブB細胞の割合を測定した免疫表現型補正の増加を達成し、主要なエンドポイントを両方とも達成しました。
2022年上半期、小児のAPDS治療薬としてのレニオリシブの小児治験計画(PIP)について、欧州医薬品庁(EMA)および英国医薬品・医療製品規制庁(MHRA)から肯定的な意見を頂戴しました。PIPには、両方の小児用臨床試験の計画が含まれていました。
Pharmingの最高医学責任者である、アヌラグ・リラン(MD、MPH)は、次のようにコメントしています:
「APDSの小児を対象としたレニオリシブの第III相臨床プログラムの最初の試験を開始できたことをうれしく思います。また、2番目の小児試験が開始されることを楽しみにしています。12歳以上のAPDSの患者さんを対象とした第II/III相試験で得られた有望な治験に基づき、より若い患者さんにレニオリシブを提供し、生涯を通じて進行する可能性のある免疫関連症状を発症する前に介入することを目標としています。当社は、今後もあらゆる年齢のAPDS患者さんに焦点を当てながら、本疾患を有する12歳未満の小児の治療をサポートする承認申請に向けて、規制当局との協力に尽力していきます。」と述べています。
米国食品医薬品局(FDA)は、レニオリシブのAPDS治療薬としての新薬承認申請について、第II/III相試験の結果および長期非盲検延長データに基づき、優先審査を行っており、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)の目標期日を2023年3月29日に指定しています。それに加えて、同じ患者さんを対象としたレニオリシブの販売許可申請(MAA)は、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)で評価中です。Pharmingは、CHMPが2023年下半期にレニオリシブのMAAに関する意見を発表すると予想しています。
活性化ホスホイノシチド3-キナーゼデルタ症候群(APDS)について
APDSは希少な原発性免疫不全症で、100万人に約1〜2人が影響を受けます。APDSは、白血球の成熟を調節する2種類の遺伝子PIK3CD またはPIK3R1のいずれかの変異によって引き起こされます。これらの遺伝子の変異はホスホイノシチド3-キナーゼデルタ(PI3Kδ)経路の過剰な活性化を招きました。2、3PI3Kδ経路でのバランスの取れたシグナル伝達は生理的免疫機能に極めて重要です。この経路が過剰に活性化すると、免疫細胞が成熟して正常に機能しなくなり、免疫不全や調節障害を引き起こします。2、4APDSは、重篤な反復性副鼻腔・肺感染症、リンパ球増殖、自己免疫疾患および腸疾患を特徴とします。5、6これらの症状は、他の原発性免疫不全を含む様々な疾患と関連している可能性があるため、APDS患者はしばしば誤診され、中位7年の診断遅延を被ります。7APDSは進行性の疾患であるため、この遅延は、永久的な肺損傷やリンパ腫などの損傷を経時的に蓄積させる可能性があります。5-8このような状況を明確に診断する唯一の方法は、遺伝子検査によるものです。
レニオリシブについて
レニオリシブはクラスIA PI3Kの110kDa触媒サブユニットのデルタアイソフォームの低分子阻害剤です。PI3Kδは主に造血細胞の中に存在し、ホスファチジルイノシトール-4-5-三リン酸(PIP2)を介してホスファチジルイノシトール-3-4-5-三リン酸(PIP3)に転化することは正常な免疫系の機能に対して極めて重要です。レニオリシブは、AKT(PDK1を介して)を活性化する重要な細胞内情報伝達物質であるPIP3の産生を阻害し、増殖、分化、サイトカイン産生、細胞生存、血管形成、代謝などの多様な細胞機能を調節します。普遍的に発現されているPI3KαやPI3Kβとは異なり、PI3KδやPI3Kγは主に造血由来の細胞で発現されます。適応性免疫系(B細胞とより小さい程度ではT細胞)および自然免疫系(好中球、肥満細胞、マクロファージ)の多くの細胞機能の調節におけるPI3Kδの中心的な役割は、PI3KδがAPDSなどの免疫疾患の有効かつ潜在的に有効な治療標的であることを強く示唆しています。レニオリシブはこれまで、健常な被験者の第1相ヒト初回投与試験とAPDS患者の第II/III相登録可能試験で良好な忍容性を示してきました。
Pharming Group N.V.について
Pharming Group N.V.(ユーロネクスト・アムステルダム:PHARM/ナスダック銘柄コード:PHAR)は、希少疾患、衰弱性疾患、生命を脅かす疾患に苦しむ患者の生活を変革することを目的としたグローバルなバイオ医薬品企業です。Pharmingは、開発初期から後期段階にある低分子化合物、バイオ医薬品、遺伝子治療薬など、タンパク質代替療法と精密医薬品の革新的な組み合わせを事業化・開発しています。オランダのライデンに本社を置くPharmingは、世界中に従業員を配置し、北米、欧州、中東、アフリカ、アジア太平洋地域の30以上の市場で患者にサービスを提供しています。
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将来の見通しに関する記述
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内部情報
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参考資料
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8.Condliffe AM, Chandra A. Front Immunol.2018;9:338.
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