プレスリリース
9月7日ーグローバル市場調査会社のイプソスは、世界で実施している世論調査の結果を基に「日本人の幸福の条件が他国と違うのはなぜか?」というテーマの考察、Ipsos Viewsを発表しました。
日本の幸福度は58%、30カ国中21位
イプソスの直近の幸福度調査(*1)で、日本は58%が「とても幸せ」または「どちらかと言えば幸せ」のいずれかを答え、対象30カ国中21位でした。
日本人の約6割が「幸せ」と答えたこと自体に違和感はありませんが、その理由が他国と大きく異なり、日本人の価値観の違いが目を引きます。
あなたを最も幸福にするものは何ですか?
最初に目を引くのは、グローバルで最大の幸せの条件は「健康」であったのに対し、日本は身体的な健康はトップ10ぎりぎりに入り、精神的な健康はトップ10にさえ入らなかった点です。
では、日本人は幸せになるために何が必要だと思っているのでしょうか?最も必要なのは「自由な時間の多さ」、次いで「生活環境(水、食事、家)」、「趣味」だったのです。生活環境を重視する国はいくつかありますが、「自由な時間の多さ」と「趣味」は、グローバルでトップ10にも入っていません。
他にも際立つ違いは多く、日本人は「安心と安全」がグローバルより低く、「自然の中に身を置くこと」はグローバルでトップ10に入るのに対し日本ではトップ20にも入りません。
グローバルと比べ日本で重視されない項目が 「健康」「安全と安心」「自然の中に身を置くこと」だとすると、国民皆保険があることや、犯罪率の低さ (2017年の人口10万人当たりの殺人事件発生率:米国5.3件、フランス1.3件、英国1.2件、ドイツ1.0件に対し日本は0.2件(*2)) など、恵まれた環境にあることが、これらを「幸福を左右するもの」として認識させないことが考えられます。自然の有難みも、海と山に囲まれ四季のある島国では感じにくいのかもしれません。
トップではないが日本の方がグローバルより重視される項目に、「娯楽やスポーツを楽しむ」「ものを所持する(PC、ファッション、車など)」が入っていることも、恵まれた環境を映しています。
前回のコラム「国家ブランド3位の日本が乗り越えるべき壁(*3)」で、日本の最大の弱みは、他国と協調し国際社会を良くする点で競争力がないことだと書きました。地球の裏側で起こっていることに思いをはせることが日本人にとっての試練なのだと、幸せの条件の違いから学ぶことができたと感じます。
詳細はイプソスのウェブサイトでご覧ください:https://www.ipsos.com/ja-jp/Corporate-reputation-blog-contents12
参照:
(*1)2021年11月19日〜12月3日、世界30カ国の20,504人を対象に実施したオンライン調査 https://www.ipsos.com/ja-jp/what-makes-people-happiest-health
(*2)https://www.moj.go.jp/content/001363987.pdf
(*3)https://www.ipsos.com/ja-jp/Corporate-reputation-blog-contents11
イプソスについて
1975年創業。イプソスはリサーチのプロフェッショナルが経営する世界第3位のグローバル市場調査会社です。世界90カ国の拠点では、18,000人以上のスタッフが、5,000を越えるクライアントにサービスを提供しています。年間の実施インタビュー数は4,700万件以上に上ります。GreenBook Research Industry Trend Report 2021で最もイノベイティブなリサーチ会社に選ばれました。
Ipsos in Japan ホームページ: https://www.ipsos.com
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