プレスリリース
報道関係 各位
第6回「JLAA地方創生アワード」発表
最優秀賞6件、優秀賞6件
〜コロナ禍が生んだ新事業から長期的視野にたった事業まで〜
一般社団法人日本地域広告会社協会 JLAA
http://www.jlaa.jp/
全国の都道府県で活躍する広告会社を会員に、日本最大の広告会社ネットワークをもつ一般社団法人日本地域広告会社協会(略称:JLAA、所在地:東京都港区新橋6-14-5、理事長:後藤 一俊・株式会社中広代表取締役会長、会員数:65社)は5月13日、第6回「JLAA地方創生アワード」の受賞者を決定しました。
全国の都道府県、市町村及び関係機関では、コロナ禍の新しい社会の中で、創意工夫を凝らし、さまざまな取り組みが行われています。当協会は地方都市で実施されている優秀な事業を表彰することで、社会全体で広く共有していくことを目的に、2016年に「JLAA地方創生アワード」を創設。全国の当協会会員社が、それぞれの地域で行政関係機関等から受託した事業を対象に選考し、毎年表彰しています。
6回目となる今回は、2021年1月から12月までの1年間で実施した事業から18件がエントリー。厳正な審査の結果、最優秀賞6事業、優秀賞6事業を下記のとおり、それぞれ決定しました。
《総評》
第6回目の「JLAA地方創生アワード」では、コロナ禍が2年続いている状況の中で、地方都市が、大きく2つの流れを意識して、事業に取り組んでいたことが伺えます。まず一つは、社会全体で、オンライン・コミュニケーションやSNS活用が普通になってきたことを受けて、DX化の流れを上手く活用した事業が多かったこと。コロナ禍による社会的なダメージを逆手にとって、有効に活用しているさまは圧巻というべきもの。もう一つは、コロナによって地域経済の基盤が脆くなってきた状況が散見される中、より本質的な地域の活力を作り上げるために考え、企画された事業が目立ちました。目の前の流行り感を追うのではなく、中長期にわたって地域にコミットメントする人、起業、そしてファンを見いだし、貯めていく発想は、将来も起こり得るだろう危機を乗り越えていくための、地方都市の強さの醸成につながっていくはずです。過酷ともいえる状況が、地方都市のプロモーションの在り方を一層ブラッシュアップしてきているように見えます。
= 第6回「JLAA地方創生アワード」 の概要 =
名称:第6回「JLAA地方創生アワード」
エントリー期間:2022年1月1日〜3月11日
対象事業:JLAAの会員社が地方創生の分野で関わった、地方自治体及び関連団体が主管する事業で、2021年1月から12月までに実施されたもの。
選定方法:JLAAの理事で構成される審査委員会の委員が採点し、合計点によって各賞を決定しました。
審査委員:JLAA理事(11人)
【 最 優 秀 賞 】 ※北から
◆事業主体:茨城県龍ケ崎市
◆事業名:龍ケ崎市「創業支援等事業計画」
◆受託JLAA会員:株式会社地域新聞社(千葉県 正会員)
<概要>
地方都市の最大の課題は、人口減少とそれによる域内経済の低迷。さまざまな魅力を発信して観光客や関係人口を増やす施策を実施しながらも、根本的な解決にはなかなかなっていきません。そこで、その地域で起業し、事業を開発、推進する人を支援し、増やしていくという施策が重要になってきます。数年前から隣接の取手市で始まった「地域で起業家を育成・支援する活動」の流れを受け、龍ケ崎市でも、“起業家タウン構想”を策定し、「Macth-46(マッチよむ)」と命名したフリーペーパーを創刊。起業家やお店のオーナーを紹介する活動を実施して、地元の事業経営者をサポートしました。
〜審査委員コメントからの一部抜粋〜
●起業家が地域を元気にする。どの街でも大事なこと。
●地方の新たなビジネスモデルを見いだす施策に期待が持てます。
●地方創生のための1つのキーワードは人口減少対策。地方におけるスタートアップ事業は重要であり、今回の取り組みが持続可能な発展を考える上で、非常に役に立っていると思います。
◆事業主体:石川県小松市
◆事業名:北陸新幹線小松駅開業と小松市の魅力を全国へ発信!ポムポムプリンとのコラボレーション PRプロジェクト
◆受託JLAA会員:株式会社ストアインク(石川県 正会員)
<概要>
サンリオの人気キャラクター「ポムポムプリン」のデザイナーが小松市出身というご縁から、2020年の「市制施行80周年」事業においてコラボが実現。その流れを受けた今回の2021年の事業では、「ポムポムプリン」が小松市民の地元愛を巻きこみ、さらに「口ずさみたくなる歌とダンス」を使ったことで、プロジェクト全体が市民にとって「自分事」になっていきました。その結果、地元の方々のみでなく全国の方々への「北陸新幹線小松駅」の2024年開業や小松市の魅力の発信に勢いがつきました。
〜審査委員コメントからの一部抜粋〜
●サンリオのキラーコンテンツと地元のコラボによって、小松市のバラエティに富んだ見どころが伝わってきました。
●「小松もう大好き!」歌がすばらしい。地元愛が溢れています。
●全国的に知名度のあるキャラクターを起用し、ゆるい世界観で幅広い世代への認知浸透が図れたと思います。
◆事業主体:舞鶴引揚記念館(京都府舞鶴市)
◆事業名:目白大学×舞鶴引揚記念館 Facebook 発信プロジェクト 〜首都圏の大学生が地方都市の情報発信をインターシップで関わる意義〜
◆受託JLAA会員:クロスボーダー株式会社(東京都 正会員)
<概要>
明治期に海軍の鎮守府が置かれた日本海に面する京都府舞鶴市は、戦後、シベリアに抑留された方が引き揚げて来たまちとして知られています。舞鶴引揚記念館は、シベリア抑留と引揚という史実の継承活動を続けていますが、若年層への啓発活動にも力を入れてきています。そこで、「コロナ禍でインターンシップがオンラインになってしまった東京の大学生がFacebookの記事を作成する」というコラボが企画、実施されました。コロナ禍がたまたま生み出した偶然のコラボによって、若い世代が重要な史実に触れる機会を創り出している点が画期的。
〜審査委員コメントからの一部抜粋〜
●コロナ禍でなかったら成立しなかった企画。
●若い世代への訴求効果が大きく、大学生とのコラボは新鮮。
●歴史への造詣と学生・若者の協力姿勢が良い。
●学生にあえてFacebookを使わせることで「伝える」というテーマをさまざまな角度から解決していく試みに独自性を感じました。
◆事業主体:岡山県真庭市
◆事業名:真庭市蒜山⇔晴海プロジェクトPR事業
◆受託JLAA会員:株式会社ビザビ<コミュニケーション局>(岡山県 正会員)
<概要>
持続可能な循環型社会を世界に発信するための施設として、2021年7月15日に、岡山県真庭市北部の蒜山(ひるぜん)に『GREENable HIRUZEN』がオープンしました。ここには、東京五輪にあわせて建築家の隈研吾氏が設計監修した、東京・晴海の文化発信拠点「CLT PARK HARUMI(CLTパークハルミ)」が移築されランドマークとなっています。元々、真庭市産のCLT(直交集成板)が使用されており、晴海から蒜山に里帰りを果たした形。本事業では人と自然の共生というブランドコンセプトをSDGsの文脈で編集し発信を行い、この施設の集客最大化を狙いました。リサイクルや苔の利用など、サステナブルというテーマをプロジェクト全体で表し、蒜山の自然の魅力の可視化を試みています。また、地方都市でのプロジェクトを、オープンの段階で全国のメディアに同時に知らせている点も画期的。来場者が2021年12月時点で年間の来訪見込み数を5万人超え13万人になっていることが事業の成功を証明しています。
〜審査委員コメントからの一部抜粋〜
●とてもパワフルな取り組み。SDGsの流れを背景に洗練された世界観で、アイデンティティを表そうとしている活動に好感が持てます。
●パックパネルのデザインや苔で作成した英字オブジェに工夫を感じました。
●写真がとてもすばらしく、サステナブルというテーマにふさわしい。
◆事業主体:岡山県井原市
◆事業名:2020年度井原市シティプロモーション事業
◆受託JLAA会員:株式会社ビザビ<地方創生グループ>(岡山県 正会員)
<概要>
星空がきれいな井原市の魅力を、シンプルかつストレートに表現。誰もがイメージしやすい星空をフックに井原市の魅力をさまざまな企画で全国に伝えようとしています。少子高齢化が進む地方都市で、経済活動を動きのあるものにしていくキーワードはシビックプライド。そして、シビックプライドは地域内での積み上げだけで生み出すことは難しく、多面的な「内」と「外」との情報の交流から醸成されていくもの。星空をキーワードに、戦略的に情報を動かし、そして関係人口を作り出しています。
〜審査委員コメントからの一部抜粋〜
●地域のオンリーワンにスポットを当て、星を軸にした展開が良い。
●星降るまちのコンセプトが良い。地域資源とつなげている点も評価。
●20名のカメラ女子の活用やSNSの利用など、綿密な計画に基づくプロモーションになっています。
◆事業主体:福岡県宗像市
◆事業名:『宗像を元気にしタイ!プロジェクト』第2弾 おトクに応援!!『宗像をもっと元気にしタイ!券』
◆受託JLAA会員:株式会社アド通信社西部本社(福岡県 正会員)
<概要>
クラウドファンディングの仕組みを、コロナ禍で苦しむ地域の飲食店の利用促進としてストレートに活用し、そして成功を収めています。第2弾ということで、SNSからリアルな窓口対応まで、参画者の知恵と行動がスムーズにかみ合い、人口10万人規模の市で1億円以上の経済効果を生みました。
〜審査委員コメントからの一部抜粋〜
●人口10万人規模で1億円を超えは快挙。成果が見えてすばらしい。
●紙とwebの融合性を感じた。各種ルールも親しみやすいデザインながら分かりやすさも意識している。
●クラウドファンディングで1億円創出。経済循環できている。
【 優 秀 賞 】 ※北から
◆事業主体:北海道総合政策部地域創生局地域政策課
◆事業名:北海道移住サポート推進事業(首都圏若年者関係人口創出カフェ)
◆受託JLAA会員:株式会社インサイト<地域ソリューション部>(北海道 正会員)
<概要>
知らない土地には観光にも行けず、そして住むこともできません。一度関わりをもった人を離さない戦略は、コロナによって移動制限がかかる場合などを想定すると、今後の地方都市の経営戦略として非常に重要になってきます。「北海道とつながるカフェ」は、北海道という大ブランドを活用しつつも、北海道らしい部分を綿密に企画して組み立てています。オンライン時代の情報交流を地域の魅力発信に上手く活用しました。
〜審査委員コメントからの一部抜粋〜
●ワインや寿司、サウナ、温泉など、テーマの設定が絶妙。北海道へ移住したくなりました。
●身近なものをモチーフにしたテーマ設定や柔らかい書体に若年層を意識した配慮が見られました。
◆事業主体:北海道余市町
◆事業名:令和3年度関係人口創出事業「余市 農園応援サポーターCHEERS!」
◆受託JLAA会員:株式会社インサイト<コンサルティング部>(北海道 正会員)
<概要>
比較的高齢の方も使うようになってきているLINEを使ったファンづくりの仕組みを、関係人口作りのための連絡網的に活用。初動のハードルを簡便にしたことで、多くの将来来訪者を取り込んでいっています。地方都市には「体験」できる魅力がいっぱいあり、余市町はワイナリーでの収穫のボランティア募集という形で実現しました。今回の、登録者という資産は今後も活用でき、かつ関係を育てていくことができます。
〜審査委員コメントからの一部抜粋〜
●LINEを使ったシンプルな構築で多くの登録者を得ていることがすばらしい。
●LINEから関係人口の創出につなげている。
◆事業主体:飛騨・世界生活文化センター活用推進協議会(岐阜県・高山市・飛騨市・下呂市・白川村)
◆事業名:飛騨ブランド物産展
◆受託JLAA会員:株式会社中広<岐阜支社>(岐阜県 正会員)
<概要>
コロナ禍で観光客が減少する地方都市において、地元産品の新たな販路の拡大は重要な課題です。高山市の「メイド・バイ飛騨高山認証制度」、飛騨市の「飛騨市モノづくりプロジェクト飛騨もの」「飛騨市推奨特産品」、下呂市の「馬瀬地域認定品 馬瀬の恵み」、白川村の「白川郷産品認定制度」などの商品を一堂に揃えた「飛騨ブランド物産展」を開催。当該エリアで発行されている情報誌「月刊さるぼぼ」(56,000部発行)で巻頭特集なども実施。2 日間、約 2,000 名の集客を実現しました。
〜審査委員コメントからの一部抜粋〜
●コロナに負けず、販路拡大や活性化につながるイベントを実施したことは評価したい。
●コロナ禍で、2日間で2,000名の集客はすばらしい。
◆事業主体:ジビエ・唐辛子普及啓発実行委員会(岐阜県本巣市産業建設部産業経済課)
◆事業名:「本巣ジビエ・徳山唐辛子のグルメスタンプラリー」イベント事業
◆受託JLAA会員:株式会社中広<営業部岐阜支社岐阜ブロック西エリア>(岐阜県 正会員)
<概要>
この事業は今年で4年目となり、今年度は、特に若年層の参加を呼び込むために地元学生を巻き込んで商品開発を実施。さらに、地元 YouTuber「たろにぃ」とコラボし、YouTube やインスタグラムで動画を配信しました。スタンプラリーもデジタルスタンプラリーにすることで参加者の動きを把握し、DX化にもつなげています。
〜審査委員コメントからの一部抜粋〜
●ジビエと唐辛子というシブい食材をSNSやYouTube、デジタルスタンプラリーなど、若年層への訴求につなげています。
●若者を意識したデザインがユニークで目を引きます。
◆事業主体:愛知県福祉局児童家庭課児童虐待対策グループ
◆事業名:愛知県令和3年度児童虐待防止啓発事業
◆受託JLAA会員:株式会社中広<名古屋支社セールスプロモーション部>(岐阜県 正会員)
<概要>
愛知県では、令和2年度の児童(・障害者)相談センターが対応した児童虐待相談対応件数が、10年前の約6倍の、6,019件となりました。児童虐待を防止するには、広く県民に関心を持ってもらうことが大切と考え、啓発活動を毎年行っており、相談件数は小学生が最も多いため、小学一年生となるタイミングに親子で児童虐待について考えてもらう啓発冊子「かぞくてちょう」を令和3年度は作成致しました。さらに、児童虐待防止推進月間である11月には、周知、啓発及び理解を促す目的で、日用品を媒介し、オレンジリボンを日常生活の中で意識できるものとして、オリジナルのポケットティッシュを作成し配布しました。
〜審査委員コメントからの一部抜粋〜
●非常に重要なテーマ。
●児童虐待を防ぐには子供ダイヤル189番を広く知ってもらうことは良いアイディア。
●イラストやデザインによる世界観がやわらかくて良い。
◆事業主体:倉敷ファッションフロンティア 実行委員会
◆事業名:倉敷ファッションフロンティア「繊維エキスポ」 バーチャル繊維産地ツアー
◆受託JLAA会員:株式会社ビザビ<倉敷支社>(岡山県 正会員)
<概要>
伝統的な地場産業の継承は、多くの地域で重要な課題になっています。コロナ禍の中、次世代の担い手を育成する事業として、地元の服飾系専門学校生、大学生、高等学校等の繊維産業に興味を持つ学生を対象に、倉敷市児島地区をはじめとした岡山県内の複数の繊維産業事業者の生産現場視察及び職人とコミュニケーションの場をオンラインで設け、事業者と若い学生たちとの接点を創り出しました。
〜審査委員コメントからの一部抜粋〜
●地元企業20社を巻き込み、繊維というエッヂの立つ取り組み。
●オンライン中継は全国的に事例が増えていますが、参加人数、視聴回数を多くすばらしい。
●コロナ禍を逆手にとった地場産業支援のアイディアがすばらしい。
以上
〈この件に関するお問い合わせ先〉
一般社団法人 日本地域広告会社協会 JLAA 事務局
担当:廣田、菅原
TEL:03-3459-6194
Mail: contact@jlaa.jp
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