プレスリリース
日本・東京、2022年2月15日 - 化学業界のグローバルリーダーであるSABIC(日本法人:SHPPジャパン合同会社、東京都千代田区)は本日、中国最大級のトラック製造企業である東風汽車と共同で頑丈かつ軽量性が求められるトラック搭載用ツールボックスの製造に向けて、プラスチック複合材を用いたハイブリッドソリューションを開発したことを明らかにした。このツールボックスには、SABICのガラス長繊維強化ポリプロピレン(PP)であるSTAMAX(tm)樹脂と、連続ガラス繊維複合材のラミネートとを組み合わせたハイブリッドソリューションが利用されている。この技術によって製造された部品は、同様に設計された鋼製部品と比べ、最大30%の軽量化が実現でき、さらに、東風汽車はこのソリューションを採用することで、生産効率の向上も達成している。
SABICでETP & マーケットソリューション部門のジェネラルマネージャーを務めるAbdullah Al-Otaibiは、「このプラスチック複合材ソリューションは、自動車業界のお客様が目標を達成できるように設計における選択肢の拡大や生産の簡素化に向けたSABICの顧客サポートを示す好例です。2つの異なる素材を組み合わせた私たちのソリューションは、性能と加工性の両方を向上させることができます。この複合材技術が実証され、東風汽車で量産に使用されている現在、私たちは自動車業界の他の多くの用途でも有用性を見込んでおり、このソリューションによって製造業のお客様の目標達成を支援してまいります。」と話している。
STAMAX樹脂を用いたこのハイブリッドソリューションは、トラックのツールボックスだけでなく、テールゲート、座席、フロントエンドモジュール、電気自動車用バッテリーハウジングなど、さまざまな自動車用途に適用の可能性がある。
このプラスチック複合材ソリューションは、軽量化だけでなく、CO2排出量の削減、生産効率向上によるコスト低減、さらなる高性能化を実現できる。
◆設計と性能の最適化
SABICのハイブリッドソリューションは、STAMAX樹脂と、連続ガラス繊維強化熱可塑性複合材の開発と製造を専門とする中国・奇一科技(Qiyi Tech)社の一方向性(UD)ガラス繊維強化PPテープを原料とした熱成形複合材インサートが組み合わせられている。
このラミネートインサートは、金型内に配置する前に予熱され、1回の加工作業でSTAMAX樹脂と一体成型される。このインサートによって、部品の重要部分に剛性と強度が与えられることで薄肉成形が可能となり、重量軽減を図ることができる。
SABICのプラスチック複合材ハイブリッドソリューションを使用することで、これまでトラック用ツールボックス素材に使用されてきた鋼と比較して、設計の選択肢が広がるとともに、部品統合が可能となる上、コスト増と大量生産の障壁となっていた二次加工が不要となる。
このプラスチック複合材ソリューションは、ツールボックスに求められていた剛性、靭性、強度を損なうことなく、重量を約30%(4〜6 kg)低減している。
STAMAX樹脂は競合材料よりも密度が10〜25%低く、軽量な点を特長としている。このほかSTAMAX樹脂は、高い剛性と衝撃強度、優れた構造的耐久力、薄肉部への容易な流入を可能とする高流動性を備えている。
SABICについて
SABIC(サウジ基礎産業公社)はサウジアラビアのリヤドに本社を置く化学製品のグローバルカンパニーです。SABICはアメリカ大陸、ヨーロッパ、中東およびアジア太平洋地区を拠点として、化学品、汎用製品、高機能性プラスチックス、肥料、金属といった製品の世界規模での生産活動を行っています。
SABICでは解決すべき課題の特定やソリューションの開発を通して、建設、医療機器、包装、肥料、電気電子、輸送機器、クリーンエネルギーといった主要アプリケーションに携わる顧客をサポートしています。2020年の生産量は6,080万トンです。
SABICは世界50か国以上で事業を展開し、3万2,000人を上回る従業員を全世界で雇用しています。SABICでは、イノベーションと独創性の育成を促進するため、グローバルで9,946件の特許出願を行っているほか、5つの主要地域(アメリカ、ヨーロッパ、中東、東南アジア、北東アジア)においてイノベーションのハブとなる研究開発のリソースを有しています。
https://www.sabic.com/
SHPPジャパン合同会社について
SABICは、2020年4月1日付で日本法人の称号をSABICジャパン合同会社からSHPPジャパン合同会社に変更しました。