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プレスリリース
【矢野経済研究所プレスリリース】自治体向けソリューション市場に関する調査を実施(2021年)〜2021年度の市場は前年度比3.1%減の6,646億円の見込、今後、標準化に伴う市場変動が見込まれる
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の自治体向けソリューション市場を調査し、市場概況や将来展望、サービス提供事業者の動向などを明らかに致しました。
1.市場概況
2020年度の自治体向けソリューション市場規模は、事業者売上高ベースで6,858億5,000万円(前年度比3.2%増)と推計する。政府により自治体情報システム標準化・共通化の方針が発表されたため、基幹系システムの更改など新たな投資を見送る地方自治体が増え、市場は減少傾向となっている。他方で、新型コロナウイルス感染症により特別給付金や補助金など様々な政策が打ち出され、関連システムの導入や事務代行、問い合わせ対応などの業務アウトソーシング(BPO)は拡大した。
2021年度は、基幹系システムに関しては引き続き標準化対応を前にした見送りが続いていることに加え、コロナ禍関連の需要も2020年度からは減少したため、2021年度の同市場規模は前年度比3.1%減の6,645億5,000万円になる見込みである。
2.注目トピック〜2022〜2025年度の市場は基幹系システム標準化対応が焦点となる
政府は自治体情報システム標準化の対象として20業務を定め、システムの仕様を順次発表している。今後ベンダーから仕様に準拠した新システムが提供され、2023〜2024年度頃には地方自治体のシステム移行が本格化する見通しとなる。また、標準化と同時に政府共通のクラウドサービスであるガバメントクラウドへの移行も進められる。ガバメントクラウドの利用は努力義務であるが、補助金の対象となることなどから、多くの自治体がガバメントクラウドを採用する見込みである。
これらの要因から当面市場の成長を予測するが、課題も多い。2025年度までの標準仕様準拠への対応は、自治体、ベンダー双方にとってスケジュールがタイトである。ベンダー側では自治体のシステム移行を支援するリソース不足への対策が急務となっている。
3.将来展望
基幹系システム標準化やガバメントクラウドへの移行により、一時的に自治体のシステム費用は上昇し、移行がピークとなる2023〜2025年度の間は前年度比10%前後の成長となる見通しである。対応終了後の2026年度には自治体向けソリューション市場は大きく減少し、前年度比34.2%減の6,040億円になると予測する。そもそも政府が標準化やガバメントクラウドを進める目的は、共通化による自治体の情報システム予算の削減であり、狙い通りといえる。
自治体向けソリューションベンダーは、従来型の情報システム事業の売上減少を補うため、BPOなどのサービス事業や政府が推進する自治体DX関連ソリューション、更にはスマートシティ・スーパーシティ、デジタル田園都市国家構想などの領域で新たなIT需要を獲得すべく、事業戦略の検討を進める必要がある。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2915
調査要綱
1.調査期間: 2021年10月〜2022年1月
2.調査対象: 自治体向け各種ソリューションを提供する事業者
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用
4.発刊日: 2022年1月28日
お問い合わせ
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株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
https://www.yano.co.jp/contact/contact.php/press
株式会社矢野経済研究所
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