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プレスリリース
【新刊情報】橋本治×岡田嘉夫による幻の豪華本を普及版で復刊。『マルメロ草紙 -dition courante-』11月26日(金)発売。二十世紀初頭の巴里を舞台にした、美しい姉妹の豪華絢爛な物語。
株式会社ホーム社は、2021年11月26日(金)に橋本治著『マルメロ草紙』を発売いたします。
2005年の着手から2013年末の刊行まで、小説家・橋本治と画家・岡田嘉夫が、手間を惜しむことなく作り上げた、究極の耽美世界。2013年、わずか150部の限定豪華本として刊行された幻の作品の、全テキストと一部挿画を収録した普及版です。
9月の『人工島戦記 あるいは、ふしぎとぼくらはなにをしたらよいかのこども百科』に続く、橋本治作品刊行第2弾。
【内容紹介】
時は二十世紀初頭の巴里。ブーローニュの森近くの瀟洒な館で暮らす大実業家エミール・ボナストリューと慎ましやかな夫人のシャルロット。その妹で、貞淑な姉とは対照的な生き方を求め、華やかなパリで女優を目指すナディーヌ。
ある日、館に陽に灼けた美しいショーマレー中尉が招かれた後、エミールとナディーヌに、そしてシャルロットの心にも、波風が立ち始める。
そこへ、パリ社交界の中心に座す、エナメルで固めたような美貌で名高いヴェルチュルーズ侯爵夫人より仮装舞踏会の招待状が届く。
ロダン、ジャン・コクトー、ニジンスキーなども登場して、館の大広間で繰り広げられる仮装舞踏会。扇情的な異国の音楽が奏でられ、エミールとナディーヌに、そしてシャルロットと侯爵夫人、ショーマレー中尉にも官能の波が押し寄せる。
アールデコ様式全盛の時代、煌めきに満ちた女性たちの甘酸っぱく、香気に満ちた物語。
【目次】
第一章 ブーローニュの森のほとりに住む、幸運の星の下に生まれた夫妻
第二章 お転婆さんと世話焼き叔母様
第三章 舞台という悪魔
第四章 大通りの秘密
第五章 春の星空
第六章 菫色の瞳の中尉
第七章 マルメロをめぐるいささか難解な会話
第八章 夏の花、そして聖十字架の記念日
第九章 聖母マリアの月
第十章 侯爵夫人からの招待状
第十一章 シェエラザードの夜
第十二章 華麗なる獣の視線
第十三章 侯爵夫人の恋の手ほどき
第十四章 ハバネラと闘牛士
第十五章 凍れる籠の鳥
第十六章 美徳とは一文字ちがう侯爵夫人
第十七章 迷宮に昇る夜の太陽、そして貞淑の月
第十八章 深紅の胎内
第十九章 水鳥の去った湖を眺めながら
第二十章 逆光の中に笑みを忘れた人がもたらす言葉は
第二十一章 苦艾酒の酔いの後
第二十二章 午後の妹、夜の姉
第二十三章 夢の後先
第二十四章 ナディーヌ、シャルロット、そしてアンヌ
終章 大運河、あるいはシベリアの紅
【著者プロフィール】
文/橋本治(はしもと・おさむ)
1948年東京都生まれ。東京大学文学部国文学科卒業。大学在学中よりイラストレーターとして活躍。77年「桃尻娘」が小説現代新人賞佳作入選。以後、小説、評論、戯曲、古典の現代語訳等幅広く活動する。96年『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、2002年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で小林秀雄賞、05年 『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、08年『双調 平家物語』で毎日出版文化賞、18年『草薙の剣』で野間文芸賞受賞。2019年1月29日逝去。享年70。
絵/岡田嘉夫(おかだ・よしお)
1934年兵庫県生まれ。岩田専太郎に師事。 グラフィックデザイナーとして活躍後、画家としての活動を本格的に始める。1973年講談社出版文化賞受賞。田辺聖子との共著『絵草紙 源氏物語』や橋本治との共著「歌舞伎 絵巻シリーズ」等古典から現代文学まで数多くの挿絵、装画を手掛けた。2021年1月31日逝去。享年86。
【書誌情報】
書名:『マルメロ草紙(そうし) -dition courante-(エディシオン クーラント)』
著者:橋本治
発売日:2021年11月26日(金)
定価:1,870円(税込)
体裁:四六判ソフトカバー 224頁+口絵三葉入
発行:ホーム社/発売:集英社
絵:岡田嘉夫
装幀:中島かほる
ISBN:978-4-8342-5351-1