プレスリリース
【プレスリリース】大分県立美術館「2021コレクション展IV 池田栄廣生誕 120 年・吉村益信没後10年 革新と前衛の美術」 開催のお知らせ
2021コレクション展IV 池田栄廣生誕 120 年・吉村益信没後10年 革新と前衛の美術
この度、公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団の運営する大分県立美術館では、12月24日(金)〜2022年2月14日(月)(休展日1月19日(水))に、2021コレクション展IV 池田栄廣生誕 120 年・吉村益信没後10年 革新と前衛の美術」を開催します。
既成の概念や形式に留まらず、革新的、前衛的な表現を目指した美術をご紹介します。とくに池田栄廣をはじめとした戦後日本画の動向や、1960 年、ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズを結成した前衛芸術家・吉村益信の活動や作品を特集します。
【会場】 大分県立美術館 3階 コレクション展示室
【会期】 12月24日(金)〜2022年2月14日(月) ※1月19日(水)は展示替えのため休展
<前期>12月24日(金)〜1月18日(火)<後期>1月20日(木)〜2022年2月14日(月)
【観覧料】 一般300(250)円 大学生・高校生200(150)円
※ ( )内は有料入場20名以上の団体料金 ※中学生以下は無料
※ 大分県芸術文化友の会 びびKOTOBUKI無料、TAKASAGO無料、UME団体料金
※ 高校生は土曜日に観覧する場合は無料 県内の小学・中学・高校生(これらに準ずる者を含む)とその引率者が教育課程に基づく教育活動として観覧する場合は無料
※ 障がい者手帳等をご提示の方とその付添者(1名)は無料
※ 開催中の企画展半券提示で1枚につき1回無料
https://www.opam.jp/exhibitions/detail/720
<関連イベント>
「2021コレクション展IV 池田栄廣生誕 120 年・吉村益信没後10年 革新と前衛の美術」
担当学芸員によるギャラリートーク
[吉村益信を中心に] 12月26日(日)、2022年1月16日(日)
[池田栄廣を中心に] 2022年1月9日(日)、2月6日(日)
各日14:00〜15:00
※要展覧会観覧券 ※予約不要
※開始時刻までに、コレクション展示室 入口前にお集まりください。
※ギャラリートークの予定は変更になる可能性があります。最新情報はホームページにてご確認ください。
https://www.opam.jp/events/detail/1027
<特集展示> 此君礼賛−おおいた竹ものがたり vol.3
当館では、竹工芸を大分ならではの文化風土から生まれた主要な地域文化資源と位置付け、コレクション展における特集展示「此君礼賛−おおいた竹ものがたり」をシリーズとして今後展開いたします。
タイトルの「此君(しくん)」とは竹の異称で、中国・晋の文人・王子猷(おうしゆう)が「なんぞ一日も此の君無かるべけんや」(一日たりともこの君なしではいられない)と竹を深く愛した故事に因みます。
この特集展示(R3年度はvol.1~3を開催予定)では、大分の竹工芸の歴史や変遷を、当館コレクションに加え、県内所在の名品や歴史資料と共にご紹介します。また、竹工芸の特徴をさまざまな角度からご覧いただけるように、毎回テーマを設定し、県在住竹工芸作家の作品や制作活動の様子も併せて紹介することで、多様に展開してきた大分の竹工芸の今昔を展観します。
テーマ:網代編
PICK UP アーティスト:渡辺竹清(二代)
問い合わせ:公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団
大分県立美術館 学芸企画課 宗像・木藤/ 管理課広報担当 渡邉・植木・土屋
Tel 097-533-4500 E-mail:info@opam.jp
吉村益信は、1960年にネオ・ダダイズム・オルガナイザーズを組織してアートシーンに鮮烈な印象を与え、その後も多岐に渡る創作活動を行った大分市出身の芸術家です。今回は、大分県立美術館が所蔵する吉村の代表的な作品に加え、吉村が晩年過ごした神奈川県・秦野市のアトリエに遺された作品や資料を交えた豊富な展示物により、60〜70年代の吉村の活動を紐解きます。
1962年に渡米した吉村は、石膏による立体作品《VOIDISM(ヴォイディズム)》を制作し、ニューヨーク近代美術館(MoMA)に収蔵されるなど活躍の場を広げます。帰国後は、ネオン管や最新のテクノロジーを利用したライトアート作品を発表し、時代精神を先取りします。1968年に《反物質;ライト・オン・メビウス》を発表し高く評価され、1970年の大阪万博では、せんい館他、多数のパヴィリオンに関わり、現代美術家としての地位を確立します。当時の写真やポスター、作品の下絵や設計図面、プロジェクトの企画書などを通して、複数のプロジェクトにおいて一貫した実験的精神を世に示した吉村の姿に迫ります。
池田栄廣は、呉市に生まれ、別府でタクシー運転手をしていましたが、日本画家の堂本印象との出会いをきっかけに画家を志して京都に出ました。堂本の画塾・東丘社で頭角をあらわし、1927(昭和2)年の第8回帝展において《犬》が初入選となります。このデビュー作の《犬》は絨毯の上に横たわる堂々たる洋犬を写実的に描いた作品ですが、以後も洋犬を主題として帝展で入選を重ねました。戦後は1946(昭和21)年の第2回日展で《寒菊》が特選となるも、その後は院展に活動の場を移し、人物や動植物をユニークな視点で捉えた斬新な日本画を生み出しています。
本展では、栄廣が主に画業初期に取り組んだ洋犬をテーマとする《洋犬と初夏の園》(仮題)といった動物画や、日展で特選となった《寒菊》に代表される豊かな情緒を酌んだ植物画、さらには画業の充実期に院展で白寿賞となった《染彩繍》にみるようなユニークな視点と構想がうかがえる斬新な人物表現等に注目しながら栄廣の作品を特集します。
また戦前から戦後にかけての急速な近代化、都市化の中で日本画滅亡論が叫ばれる中、革新的な新しい時代の日本画表現を追求する画家たちが現れます。宇佐市出身の田口壮、大分市出身の山辰雄、朝地出身の朝倉文夫を父にもつ朝倉摂など、伝統の革新に果敢に挑んだ他の日本画家たちの動向にも注目します。