プレスリリース
株式会社タクマ(本社:兵庫県尼崎市、社長:南條博昭)は、ごみ処理施設やバイオマス発電施設などの排ガスに含まれるCO2を独自の非水系吸収液を用いた化学吸収法により省エネルギーで分離回収するシステム(以下「本システム」)の早期実装に向け、当社が2015年に納入した「真庭バイオマス発電所」(所在:岡山県真庭市)に実証装置を設置し、24時間連続してCO2の分離回収を行うオンサイト実証試験を開始しました。
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CO2の分離回収を行う実証装置
当社が主力とするごみ処理施設やバイオマス発電施設などの燃焼排ガスは、ガス量が多い一方でCO2濃度が低いことが特徴です。このような排ガスからCO2を高純度で回収するためには、吸収液を用いた化学反応によりCO2を吸収し、その後高温で加熱をすることでCO2を放散・回収する化学吸収法という手法が適していますが、加熱の際に多大な熱エネルギーを必要とすることからプロセスの省エネルギー化が課題とされています。
当社は2018年から、国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST)と共同で、従来の吸収液より低温でCO2を放散できるなどの特長をもつ新規の非水系吸収液の開発を進めています。また、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業における技術調査※1や、当社播磨工場での吸収液評価試験を行うなど、これまでも本システムの実用化に向けた取り組みを進めてきました。
今回のオンサイト実証試験では、実際に稼働している出力10MWのバイオマス発電施設において、排ガス中のCO2を1日あたり0.5トン規模で分離回収する装置を新設しました。実施期間は本年7月から25年6月までの1年間を予定しており、9月後半からは装置の24時間連続稼働を実施しています。排ガス性状の変動に適時に対応するための制御応答性や、高いエネルギー効率で稼働するための運転条件などを検証し、排ガスに含まれるCO2のうち90%を分離回収できる技術の確立を目指します。
当社は、本システムの開発に加えて、燃焼ガスに含まれるCO2の施設園芸への利用や、排ガス中のCO2の固体炭素化などの技術開発※2に取り組んでいます。今回のオンサイト実証試験を機に開発を一層加速し、カーボンニュートラル技術の実装による脱炭素社会の早期実現に貢献してまいります。
※1:2021年10月11日付 当社ニュースリリース「バイオマス発電施設における省エネルギー型CO2分離回収に関する調査 NEDO CCUS研究開発・実証関連事業に採択」
https://www.takuma.co.jp/news/2021/20211011.html
※2:2024年10月18日公開 当社『統合報告書2024』内「イノベーションの推進」
https://www.takuma.co.jp/sustainability/pdf/report/2024/2024-04.pdf
新規の非水系吸収液の特長について
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