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人民日報海外版日本月刊

ひざの痛みクリニック・チーフドクター長谷川 良一のインタビュー記事を「人民日報海外版日本月刊」にて公開

(@Press) 2023年11月20日(月)11時30分配信 @Press

人民日報海外版日本月刊は、ひざの痛みクリニック・チーフドクター長谷川 良一のインタビュー記事を公開したことをお知らせいたします。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/376362/LL_img_376362_1.jpg
インタビューを受ける長谷川先生

膝関節の痛みは多くの中高年を悩ませる健康問題であり、その症状は体が衰えるにつれて必ず現れる。これを逃れる術は誰一人としてないのである。つまり、健康寿命がますます延びる現代にあっては、膝関節という「消耗品」は生活の質を大きく左右する。にもかかわらず、膝の関節痛は慢性的なものであり、即効性のある治療方法はほとんどない。
日本は超高齢化社会で、65歳以上の人口は総人口の3分の1に迫っている。これはつまり、日本の未来は老年層が多くを占めるということであるから、日本の社会はその声に耳を傾け、人生100年時代を号するにふさわしい社会を築かねばならないことを意味している。それと同時に、日本の医療も中高年層一人ひとりの要望にいっそう寄り添う必要があるということである。
2023年4月1日、世界三大繁華街の一つである銀座に、膝関節痛を専門的にあつかうクリニックが開設された。主治医は数十年の豊かな経験を有しながらも再生医療の最先端に立ち、そればかりか、海外から訪れた旅行客にも対応しているという。先日、ひざの痛みクリニックを訪れ、チーフドクターである長谷川良一氏にインタビューをおこなった。


■より新しく、より速く、より素晴らしく
―― 貴院が設立された経緯と、なぜたった半年という短いあいだで世界的に名を揚げることが出来たのか、まずその点についてお聞かせください。
長谷川 当院は2023年4月1日に開設されたばかりで、まだたった半年しか経っておりません。私自身はかつて膝関節痛を専門的に扱う医療グループに勤めていたのですが、このグループは国内で18箇所もの再生医療施設を擁していました。そこでは約十年前に日本で広まった再生医療法に着目し、血液から作ったPRP-FD、および脂肪幹細胞を用いた治療を患者に対しておこなっていました。
この技術が発表された当時、日本整形外科学会では効果が万全ではないと考えられていましたが、幸い日進月歩の医療技術のおかげで、およそ2年前でしょうか、東京大学の整形外科で脂肪幹細胞を用いた治療が進められ、最近では再生医療の講座も開かれました。脂肪幹細胞の移植は、日本の整形外科学会で徐々に認知されてきたのです。また、10年以上の歴史があるPRP療法も日本全土に普及し、いまでは学会でも専門的な教育研修がおこなわれています。

とはいえ、私自身は所属していた医療グループの成績に対して十分には満足していませんでした。技術的な進歩を追求する姿勢や、高齢者の症状緩和が明確に感じられなかったことなどがその主な理由です。そこで私はよりよい治療方法を求めて、志を同じくするメンバーとともに、この「ひざの痛みクリニック」を立ち上げたのです。


■注射と手術、そのあいだを埋めるもの
―― 長谷川先生は長らく整形外科の分野に従事し、一貫して当該分野の最前線で活躍されています。膝関節の痛みに対して、日本では一般的にどのような治療が施されるのでしょうか。
長谷川 現在、日本には2400万人もの膝関節痛を抱えた人がいます。いわゆる変形性膝関節症の患者さまですね。幅広く医療保険が適用される日本ですが、注射が許可されているのはヒアルロン酸とステロイド、それに局部麻酔だけです。ステロイドと局部麻酔は軟骨を痛める可能性がありますから、もしヒアルロン酸で効果が現れなければ、もうその時点で人工関節置換術か、もしくは脛骨高位骨切り術という手術しか道は残されていません。
患者さまにしてみれば、軽度の変形ですぐに手術をするというのは、やはり抵抗があるでしょう。それに術後の回復にも長い時間がかかりますし、日常生活にも大きな支障が出ます。
注射と手術のあいだを埋めるもの、それを患者さまに提供できないだろうか。私が得意とする再生医療は、まさにその空白を埋めるものなのです。注射によって膝関節の痛みを和らげ、さらには再生効果を期待できるサイトカインを注入する。これは患者さまのニーズに合致した治療方法と言えるでしょう。


■PRPの進化版、ACRS療法
―― 貴院では再生医療をどのように膝関節痛の治療に応用しているのでしょうか。どういった種類の治療法があり、それらをどのような患者に施しているのか、またその治療期間はどれくらいなのかを具体的に教えていただけますか。これらも本誌の読者が知りたいことではないかと思います。
長谷川 それにはまずドイツのSANAKIN社が開発した多血小板血漿(platelet-rich plasma、以下PRPと略す)についてお話しする必要があります。血小板がもつ凝血作用は人体を守るだけでなく、血小板が活性化されると大量のサイトカインが分泌され、もともと私たちの体に備わっている、組織を再生修復しようとする働きが促されます。そのなかに含まれる多くの成長因子やタンパク質は、菌の抑制や痛みの緩和という特殊な作用を持っており、組織が自然に治癒していくサイクルを速めるのです。また、PRPはもとが人体の血液なのですから、免疫による拒絶反応や病気感染の心配もありません。
自己血サイトカインリッチ血清(以下、ACRSと略す)療法はPRPの進化版で、EUにおいてはドイツを中心に広く膝の治療や脱毛、美容といった分野で使われています。ただ残念ながら、日本ではまだ厚生労働省から医薬品として認定されていません。
ACRSはいま言ったPRPの特性を利用します。まず37℃の保湿器の中で血小板をガラスビーズで刺激して、それから血漿をフィルターにかけて分離し、無細胞化してから製剤を作ります。3時間というのにも理由があって、関節痛を引き起こす原因となるサイトカインはIL-1、IL-4、そしてTNFですが、IL-1受容体拮抗薬のIL-1raやIL-4raといった抗炎症性サイトカインは、3時間以内に大量分泌されるからです。抗炎症性サイトカインの抽出量は、PRPに比べてIL-1raでは15倍、IL-4raでは5倍と増加し、再生因子となるEGFでは15.5倍、FGFは5.5倍にもなります。
このような方法で作られたACRSを関節に1度注入することで、慢性的な炎症によって引き起こされた変形性関節症に即効性があるばかりか、関節内にある組織の再生と修復を促進することが可能となるのです。それ以前の一般的な状況を申しますと、高齢者に見られる改善の反応率は決して高いとは言えないものでしたが、ACRS療法が採られるようになってからは、70歳以上の高齢者の疼痛除去効果は明らかに上向き、反応率も90%以上を示しています。当院は2023年4月からこの治療を実施していますが、患者さまの満足度は非常に高く、月に1度の注射を3回おこなうことをスタンダードな治療法としており、その効果は9か月から12か月持続します。
また、脂肪幹細胞移植(ASC)療法というのもあります。これは間葉系幹細胞を移植する治療法です。関節は、そもそも間葉系幹細胞が分化して出来た器官です。以前は骨髄幹細胞移植治療というものをおこなっておりましたが、一般に骨髄は55歳を境に老化していきます。ですから、高齢の変形性膝関節症をもつ患者さまには、この方法はふさわしくありません。タンパク再生能力も脂肪幹細胞に遠く及ばないのです。
ですから最近では、皮下脂肪から幹細胞だけを分離培養する方法が採られています。腹部全体に局所麻酔をかけたあと、20mlの皮下脂肪を採取するのですが、実はこれも人体への侵襲やその他の危険をはらんでおり、脂肪栓塞や腹部血腫といった合併症を引き起こす可能性が低いとは言えません。現在、私たちは4mmの生検針を使い、腹部のほんの小さなところから4mlだけ皮下脂肪を採取して、幹細胞を抽出・培養し、1度の注射で片膝に4000万セルの脂肪幹細胞を注入するのです。20mlの採取に比べ身体的負担も少なく、リスクも軽減されますし、通常1000万セルを注入する他院の場合に比べてもより大きな効果が期待できます。
注入された脂肪幹細胞は滑膜に吸収されて長期間生存し、成長因子や抗炎症因子を分泌します。最近の研究では、脂肪幹細胞はアンチエイジング作用に効果があるとも言われています。
そして、この治療法の効果は年単位です。私はかつて74歳の女性患者に脂肪幹細胞移植をおこないました。10か月のうちに2度施したところ、4年経過後も効果は持続しており、膝関節の痛みは再発していません。
ACRS療法は、痛みをすぐに和らげたいという希望に適していますので、当日来院して注入することも可能ですし、痛みがひどい患者さまや70歳以上の高齢の方でもご利用になれます。もし間隔を空けて来院し注射するのが不都合であれば、あるいは変形性膝関節症を完治させたいのであれば、当院では脂肪幹細胞移植をお勧めしています。
治療効果が最も期待できるのは、ACRSの注射を3度して、それから脂肪幹細胞移植をおこなうことです。血液と脂肪という異なる2種類の細胞を使うことで相乗効果が期待でき、より良い治療結果につながると思います。


■その日のうちに、効果てきめん
―― 健康寿命を延ばして生活の質を上げる、これは全人類に共通する目標だと思いますが、一方で膝関節の痛みは、やはり人類に共通する避けがたい課題であるようにも思えます。そこで私たちが知りたいのは、中国の患者が貴院を訪れて最先端の医療サービスを受けることは可能なのかという点ですが、これについてはいかがでしょうか。
長谷川 もちろん当院は中国の患者さまに対しても喜んで治療いたします。ACRSなら当日の注入も可能ですが、3時間かかりますので、午後2時までにご来院いただき採血する必要があります。これを月に1度、3回施せれば理想的です。
当院は「買い物天国」として有名な銀座の中心にあります。周囲には百貨店や高級店が建ち並び、無数のレストランやバーもあります。ですから、旅行客の方なら採血後はご自由に買い物や飲食を楽しんでいただき、3時間後に戻って注射を打つことが可能です。そういう意味でも非常に便利ですし、治療後は効果が期待できます。
脂肪幹細胞移植ですと、来院当日に採取は可能ですが、通常8週間前後の培養期間を要します。ですから、当院にて長期保存し、また次の機会に日本へ旅行に来られたときに注射していただくのが便利かと思います。


■膝で歩き、膝をいたわる
―― メディアの報道によると、日本は世界で唯一再生医療の監督体系を法的に整備した国だということですが、この再生医療という分野において、中国と日本はどういった面で協力し合えるのか、お考えをお聞かせください。
長谷川 たしかに日本では10年前より膝関節の治療に再生医療を応用しています。なかでも私がかつて勤務していたクリニックのシステムは、東京で約90%ものシェアを占めていました。ただ残念ながら、ACRS療法と脂肪幹細胞移植をともに提供できるのは、いまのところ当「ひざの痛みクリニック」だけです。
当院を開設しているのは、まさに前職のクリニックにおける限界を感じたからで、患者さまにより新しく、より効果のある治療法を提供し、できるだけ患者さまご自身の膝で日々をより良く過ごせるようにと願ってのことなのです。
再生医療の分野において、いま最も脚光を浴びているのがiPS細胞技術です。私はその最先端を走る京都大学を卒業しましたが、そういえばiPS研究所の副所長は私の同級生でしたね。ただ、iPS細胞を作成するための設備はきわめて高価で、いまはまだ商業化の段階に至っていません。これを一般的な患者さまに提供するためには相当なコストダウンが必要で、その道のりはまだまだ遠いでしょう。それと比べれば、間葉系幹細胞移植のコストは下がってきており、実用化してすでに7年が経過しています。それと最新の血液製剤を組み合わせることで、安全かつ効率的な治療をおこなうことが出来るのです。
私も中国が高齢化社会へと加速度的に進んでいることは知っていますが、ある報道によると、2031年頃には超高齢化社会に突入し、65歳以上の人口が総人口の3分の1を超えるのだとか。今後、健康寿命を延ばしていける社会を作り上げることは、国ないし世界の安定と持続的発展の基本条件になるでしょう。消耗品の膝関節ではありますが、中高年の方から膝関節の痛みを取り除き、一生涯、自分の膝で歩き続けて彩り豊かな人生を歩んでいただく、それが私の望みなのです。

プレスリリース提供元:@Press

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