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白鳳社寺さまがフランス建築設計プロポーザル業務を受託 合同会社JEXPO、初めて「宮大工技術の輸出」を実現

(@Press) 2023年10月18日(水)08時15分配信 @Press

有限会社白鳳社寺さま(岐阜県岐阜市)は、社寺建築の専門家集団。飛鳥時代からの木造技術と知恵を使い、寺院・神社の建築物を設計施工する、いわゆる宮大工です。今日までの施主は、当然、国内企業・個人だけでした。一方ヨーロッパでは、集成材CLTの普及などが契機となり、木造中高層建築物の建設が盛んです。そこで合同会社JEXPOは、2022年から「宮大工技術のヨーロッパ木造建築への融合」をテーマに、同社のフランス進出を支援、2023年10月に初めて建築プロポーザル案件の受注を達成しました。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/372416/LL_img_372416_1.jpg
フランス建築事務所との商談1

■フランス現地でニーズ実感
2023年6月、高崎 将太朗取締役のフランス現地商談をセッティングし、同行しました。高崎氏は初めての渡仏でした。現地では、木造専門の建築事務所12社、大工に欠かせない原木を調達する製材所3か所を訪問。いずれの訪問先も環境配慮・サステナブルなどに対する意識が高く、宮大工技術は高く評価されました。さらには、フランス大手建設会社Eiffageの案内のもと、パリ・オリンピック選手村を訪問しました。立ち並ぶ中高層建築物は、実に半数以上が木造でした。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/372416/LL_img_372416_4.jpg
製材所訪問風景
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/372416/LL_img_372416_5.jpg
パリ・オリンピック選手村

■解体・再建可能な木造建築案件
帰国後8月、訪問先のひとつ、建築事務所M社が、ユーロ・メトロポール・ストラスブール(公共機関)発注の建築プロポーザル案件に参画してほしいと要請してきました。同プロポーザルでは、技術要件として「木造」、「建設後、解体・再建が可能なこと」が課せられていました。M社は、訪問時のプレゼンを通して、宮大工の継手・仕口の技術が、まさにこの技術案件をクリアできると理解していました。そして、プロポーザルの審査で高い技術点を獲得したいと考えていたのです。

画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/372416/LL_img_372416_7.jpg
フランス建築事務所より業務受託

■プロポーザル業務を受託・参画
白鳳社寺さまは、プロポーザルへの参画を表明。とはいえ、公共建築、プロポーザル案件、国際コラボ、フルリモートでの書類・図面の受け渡し、M社、フランス大工S社を交えた3者Zoom、いずれも未経験でした。とりわけ、協働直後は、どちらが作業をするのか、分担を明確にできず、苦労が窺えました。最終的には、白鳳社寺さまは回廊部分の設計を担当。建設後、解体・再建が可能な継手・仕口を提案できました。宮大工なので、当然、金具や釘を使っていません。また外観においても、M社の当初設計に対し、直径25cmの太い円柱を使った変更案を提示しました。M社・S社は、ヨーロッパ人の感性では発想できないプランだと評価、同案でプロポーザルに応募することを決めました。そして受託額で合意し、正式受注となりました。

画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/372416/LL_img_372416_8.jpg
全体プラン
画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/372416/LL_img_372416_9.jpg
宮大工技術を活かした回廊

■受注できたポイント
宮大工技術は、建築物の柱や梁、つまり木造軸組工法の骨組みの一部をなしてはじめて生きます。他方、オブジェやインテリアでは、スケール感・力感が出ず、魅力がなかなか伝わりません。その点を考慮し、商談先は、インテリアデザイナー・工業デザイナーなどではなく、実現難易度は高くとも「木造建築専門の建築家」に絞り込んでアポイントをとりつけ商談したことが受注できたポイントです。


■JEXPOが得たもの
製品ではなく「技術」という無形物の契約に初めて貢献することができました。しかも、宮大工技術は、手作業・口伝などをベースにしており、体系的な説明が困難。にもかかわらず、その設計業務の受託を、支援開始から1年足らずで実現できました。

フランス・ヨーロッパの木造建築、とりわけ中高層建築、ならびに法規面でのノウハウを獲得できました。CLT・角材・原木など木材に対する法規制、消防当局の防火指導。それらを念頭においた建築家の工夫。さらに、フランス公共建築プロポーザル案件の発注仕様、提出書類様式・図面、業務手順、審査基準など。

フランス建築家とコラボする一連の流れを理解しました。業務仕様・目的等の確認から始まり、役割分担・報酬分配決め、素案作成、意見調整、プラン確定、積算、まとめまでの手順。またそれら実務に欠かせないWEBプラットフォーム上でのデータ管理・スケジュール管理、メール・Zoom等の活用など。


■今回チャレンジの意義
ヨーロッパ社会では、工業化・大量生産・経済合理性を優先・重視する産業活動と職人技に対するリスペクトとは、往々にして同列に扱わない傾向があると感じます。今回の取組は、一方では、現地法規や標準仕様に従いながら木造高層建築等の市場へ参入するチャレンジであり、他方では、ヨーロッパの産業界では受け入れられにくい法規化・標準化されていないノウハウや技術を売り込むというチャレンジでした。今回の建築案件の受託は、その両方において、可能性・将来性を示した第1歩となったといえます。


■会社概要
運営主体: 合同会社JEXPO
代表者 : 代表社員 堺 武志
所在地 : 〒814-0015 福岡県福岡市早良区室見3-8-6-305
設立 : 2014年3月
資本金 : 250万円
URL : https://jexpo.org


■本件に関するお問い合わせ先
合同会社JEXPO
電話 : 080-3223-2684
メール: info@jexpo.org
Zoom : https://reserve.jexpo.org/

プレスリリース提供元:@Press

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