• トップ
  • リリース
  • 湯浅万貴子個展「肯う地平」を8月29日(火)より9月10日(日)まで、MEDEL GALLERY SHUで開催!

プレスリリース

  • 記事画像1
  • 記事画像2
  • 記事画像3
  • 記事画像4

湯浅万貴子個展「肯う地平」を8月29日(火)より9月10日(日)まで、MEDEL GALLERY SHUで開催!

(@Press) 2023年08月02日(水)10時00分配信 @Press


Overview


MEDEL GALLERY SHUでは、8月29日より9月10日まで湯浅万貴子の個展「肯う地平」を開催いたします。
湯浅万貴子の作品は点描の密度と色箔の面の空間の対峙で構成されています。デフォルメされた身体のパーツは時代の変化と共に歪曲し変化し続ける人間の姿を表し、それに対する色箔面は無機質で非現実的な空間が映されています。解体された身体のモチーフが箔と色の空間に浮かぶ様は、変化の中で我々が再構築しなければならない常識や感情が投影されています。
前回の弊廊での個展は2021年12月でした。
およそ1年半ぶりに出会う、静寂とダイナミズムが共存する作品の数々をお楽しみください。
湯浅万貴子
個展「肯う地平(うべなうちへい)」
会期:2023年8月29日(火)〜2023年9月10日(日)会期中無休
時間:11時〜19時(最終日は17時まで)
会場:MEDEL GALLERY SHU
住所:東京都千代田区内幸町1-1-1帝国ホテルプラザ東京2F
*入場無料


画像 : https://newscast.jp/attachments/lXWv2L3Vwed2OSTmvmQW.jpeg
展示告知ポストカード


画像 : https://newscast.jp/attachments/bdZbfNEaLaQBu5w2so12.jpg
出品作品


個展に寄せて


湯浅万貴子は、点描と箔で構成された絵画を制作するアーティストである。点描画として描かれる図像は、《さようならの亡骸》(2019)などに顕著に示されるように、しばしば人間の身体をデフォルメした形象をモチーフにしている。いくつかの外見的特徴から、その人物は女性であると推測することができる。だが、湯浅の作品に現れる人体のようなイメージは多くの場合で顔を欠いていることもあり、そのアイデンティティは意図的に不明瞭にされている。そうした行為には、これまで絵画の領域のなかで女性の身体、特に女性のヌードが暴力的に男性の視線によって――男性芸術家には制作の対象として、そのほか多くの男性には鑑賞や窃視の対象として――領有されてきた歴史を踏まえると、ひとりの女性作家が女性の身体を点描というユニークな手法で描くことに意義を見出すことができる。
だが、芸術において女性自身が自らの身体を奪取することの重要性だけではなく、湯浅の実践はより普遍的な美術史的・芸術学的考察に刺激的な示唆を与える。例えば、アクリル絵の具と色箔で作られた背景と点描画の図像を備えた彼女の絵画は、「図と地」の構図を形成しているとみなすことができる。いわゆる「ルビンの壺」に象徴されるように、20世紀前半に発展したゲシュタルト心理学の重要概念とされる「図と地」だが、学術的な概念として言語化される以前から絵画の構図として至るところに見られる。そのひとつが、湯浅自身も影響を受けていると語る、グスタフ・クリムトらを代表とする「ウィーン分離派」における「ジャポニズム」の絵画である。クリムトが1895年に制作した《愛》という絵画では、縦長の外面の両サイドに金箔を想起させる金地が施されており、明らかに日本画の様式的影響が感じられる。湯浅はウィーン分離派のジャポニズムを自己流で再解釈しており、ウィーン分離派のジャポニズム自体が日本画を自己流で再解釈したものであると考えると、そこには「再解釈の再解釈」という創造的な連鎖を発見することが可能だ。加えて、不明瞭なデフォルメ化された形象が前景化するとき、湯浅の絵画においては「図と地の逆転現象」とでも呼べる事態が起こることは視覚文化研究の観点から眺めて非常に興味深い。
今回の個展に際して、湯浅はこれまでの取り組みを軸に据えながらも、いくつかの新しい試みに挑戦しているという。そのひとつが、人体的なモチーフを微妙にずらして重ね合わせ、まるで「連写」のような視覚効果を生成させる試みである。美術史的な視座から分析すれば、そこにはイタリア未来派の画家たち――ウンベルト・ボッチョーニ、ルイジ・ルッソロ、ジャコモ・バッラなど――が挑んだ、動的ダイナミズムの静的メディア(すなわち、時間を含む4次元性を表現することのできない媒体としての絵画)における描出の試みとも近接性を見出すことができる。あるいは、類似の関心になるが、キュビズムの画家たち(特に、ジョルジュ・ブラック)が試みた、4次元性の平面における再構築への探究とも共鳴するように思われる。このように、湯浅万貴子の芸術実践が問いかける地平は限りなく広い。
山本浩貴(文化研究者、金沢美術工芸大学講師)

画像 : https://newscast.jp/attachments/VC2Nx7dhoux8LS87eoQd.jpg
参考作品


画像 : https://newscast.jp/attachments/WWQEquoruuQH2MAKMYtV.jpg
参考作品


Profile


画像 : https://newscast.jp/attachments/SQvtcmdpz06TtIojQXcs.jpg


湯浅万貴子|Makiko Yuasa
1988年 新潟市出身
2011年 東北生活文化大学家政学部生活美術学科退学
主な個展
2014年 Shounandai MY Gallery MY Gallery
2020年 s+arts「静かな荒野」
2021年 s+arts「不変の前兆」
2021年 MEDEL GALLERY SHU「身に悖ること勿れ」
2022年 金沢アートグミ 「eimi ousia」
主なグループ展
2011年 GEISAI♯15ランキング展/ Hidari Zingaro gallery
2012年 Roppongi a Art Week/ Shounandai MY Gallery
2015年 「MY duo」/ Shounandai MY Gallery
2016年 「WILL」/ Shounandai MY Gallery
2018年 「Composition」/ Shounandai MY Gallery
2019年 「amrta」/ s+arts
2020年 「荒地のアレロパシー」/ Mitsukoshi Contemporary Gallery
2021年 「ストレンジャーによろしく」/ 金沢市内各所
2022年 「s+arts summer exhibition」/ s+arts
アートフェア
2012年 ULTRA005(東京)
2015年  YOUNG ART TAIPEI(台湾)
アワード
2011年 YOUNG ARTIST JAPAN vol.4 TOGBOAT/山本美知子賞
2011年 GEISAI #15 来場者ポイントランキング第3位
レジデンス
2021年 金沢市「CORN」山本浩貴、齊藤恵汰・招待作家
掲載
2012年 月刊アートコレクター9月号「新人アーティスト300人」
2018年 美術の窓5月号「新人大図鑑2018」
2020年 Webレビューとレポート(みそにこみおでん)家船参加作家インタビュー
2021年 月刊アートコレクター7月号「ヌード 愛の美のちから」
2021年 中日新聞にてレジデンスインタビュー


Gallery Information


MEDEL GALLERY SHU|愛でるギャラリー祝
東京都千代田区内幸町1-1-1
帝国ホテルプラザ東京2F
info@medelgalleryshu.com
11:00〜19:00(最終日は17時まで)
MEDELとは、日本語で「物の美しさをほめ味わうこと」を意味する「愛でる」からきています。
唯一無二のアートを賞美し、慈しむという行為を介して、アーティストと鑑賞者、ギャラリーの間に喜びの行き交いが成立してほしいという想いを込め名づけました。
“時代を共にする人々にとっての財産であり、未来の社会を照らす火である”とアーティストの活動・作品を定義し、人々の心に残る独創性に富んだスタイルの作品を鑑賞者と共に愛でつつ、次世代に残るようなマーケットや美術史的評価を確立してゆくことが当ギャラリーのミッションです。そのような私たちの活動を通して、独創的な表現を受け容れる多様な社会的風土の醸成に資することができれば、これに勝る喜びはありません。
The word “MEDEL” is from the Japanese word “めでる,” which means "to praise
and appreciate beauty" in Japanese.
We named the gallery MEDEL to create a pleasant exchange between the artist, and the appreciator,through the unique artwork.
We define artists' activities and works of art as "an inheritance for the people who share the same era and a fire that will light up the society of the future”, and we hope to establish a market and an art historical reputation that will last for the next generation while appreciating works of art with the viewers, which are full of originality and style that will remain in people's minds.
Through our activities, we are more than happy to contribute to the development of a diverse social culture that accepts creative expression.


:



プレスリリース提供元:@Press

このページの先頭へ戻る