プレスリリース
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成長したベニザケ、刺身、寿司を手にする(左から)澁谷社長、伊藤社長、平野学長=福島市の「いちい」本社で7月20日
好適環境水による養殖事業化実験が行われているベニザケが出荷の時期を迎え、7月20日、養殖場のある福島市の株式会社「いちい」本社で、プロジェクトの進捗状況に関する記者会見が行われました。共同研究に取り組んでいる「いちい」、岡山理科大学、NTT東日本の代表が出席し、共同研究の成果を報告。翌21日から福島市内の「いちい」店舗で試験販売することを発表しました。ビジネスベースで世界初となるベニザケの養殖事業化に向けて、大きな一歩を踏み出しました。
会見に臨んだのは「いちい」の伊藤信弘代表取締役社長、岡山理科大学の平野博之学長、NTT東日本の澁谷直樹・代表取締役社長。地元や在京の報道各社約20社が参加し、関心の高さを示しました。
伊藤社長「魚は自分たちでつくっていく時代」
会見で、伊藤社長は「弊社はスーパーマーケットを中心に事業展開していますが、創業は魚屋です。しかし、魚をめぐる環境は厳しさを増しており、自分たちでつくっていかないといけない時代ではないかと話していた中で、このプロジェクトにトライすることになりました。魚屋が一生懸命頑張って、今日、皆さんに紹介できるようになりました。安心・安全な環境で育った魚です。どうぞ、よろしくお願いします」と述べました。
平野学長「画期的な技術で社会貢献進める」
続いて、平野学長が「好適環境水の技術は、長年の試行錯誤の中でたどり着いた、画期的な技術で、海水温の上昇や異常気象、自然災害の影響を受けることなく、魚や野菜を安定供給できるようになります。SDGsの観点からも夢のような技術だと思っています。今後とも、3者で共同して連携を深め、消費者の皆さんに少しでも喜んでいただけるような成果をお届けできればと思っています」と研究機関としての社会貢献を強調しました。
澁谷社長「新しい産業を興せる可能性があるプロジェクト」
澁谷社長は「我々のデジタル技術を活用しながら、1次産業の次世代化をお手伝いしている中で、完全に循環型で環境にやさしく、遠隔で指導できるという好適環境水に着目して、一緒に取り組んできました。大震災発生当時、私は福島支店長で、その後も福島の復旧・復興に関わってきただけに、新しい産業を興せる可能性がある画期的なプロジェクトを発表できるのは感無量」とし、事業の海外展開も模索していることを明らかにしました。
「脂が滑らかでおいしい」と好評
会見後には試食会が行われ、報道関係者からは「脂が滑らかで食べやすい、おいしい」「さっぱりとして、しっかり歯応えがある」「サケのイメージが変わった」などの声が聞かれました。
わずか1年半で70グラム→1200グラム
ベニザケは消費者の人気が高いものの、病気に弱く成長が遅いため、これまで事業規模の陸上養殖に成功した例はありません。岡山理科大学が保有する好適環境水の養殖ノウハウ・プラントシステムに、NTT東日本グループが持つICT(情報通信技術)を組み合わせて作業の効率化、自動化、陸上養殖に最適な設備構築を進めてきました。養殖場には22トン水槽1基があり、2022年1月初めの養殖スタート時には約70グラムだった体重は、わずか1年半で平均800〜900グラム、最大で1200グラム以上にまで育ちました。通常のベニザケがこのサイズまで育つには数年かかるとされています。
「いちい」は福島市の隣の川俣町と基本協定を締結しており、同町の廃校を利活用して養殖規模を拡大していく予定です。
翌日の試験販売は「ICHII‘SロシナンテMARKET福島西店」で行われ、ニュース報道などで知った市民らが次々に訪れ、特設コーナーにズラリと並んだ握りずし、刺身、切り身、ハンバーガー(いずれも税別980円)などを買い求めていました。
(※「好適環境水」は登録商標です)
岡山理科大学 生物生産教育研究センター : https://renkei.office.ous.ac.jp/ercop/index.html
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大勢の報道陣が集まって行われた記者会見
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「魚は自分たちでつくっていく時代」と話す伊藤社長
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研究を通じた社会貢献を強調した平野学長
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「新しい産業を興せる可能性があるプロジェクト」と語る澁谷社長
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好適環境水について解説する理大工学部応用化学科の山本俊政准教授
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会場には約20のテレビ・新聞・通信各社が駆け付けました
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養殖場の22トン水槽を見学する平野学長(右から2人目)、山本准教授(右端)ら
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店頭にお目見えしたベニザケの寿司や刺身パック
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店頭の特設コーナーでは成長したベニザケの姿も披露されました
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次々とベニザケの商品を買い求める買い物客
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ベニザケの商品を手に取って品定めする買い物客
岡山理科大学 : https://www.ous.ac.jp/
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