プレスリリース
日本メナード化粧品株式会社(愛知県名古屋市中区丸の内3-18-15、代表取締役社長:野々川 純一)は、藤田医科大学医学部(愛知県豊明市沓掛町田楽ケ窪1-98)と2003年より皮膚の幹細胞に関する共同研究を進めてきました。2018年からは、同大学医学部応用細胞再生医学講座(教授:赤松 浩彦)及び皮膚科学講座(教授:杉浦 一充)に加えて名古屋大学大学院医学系研究科に開設したメナード協同研究講座や公的研究機関の協力を得て『1000人の肌の幹細胞を解析するプロジェクト』を推進し、この度、目標とした1000人の肌を対象とした幹細胞の解析を完遂しました。この解析から、幹細胞を起源とした私たちの肌の再生メカニズムの全体像を見出しました。
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幹細胞を起源とする皮膚の再生メカニズムの全体像
私たちの皮膚は、日々、幹細胞から新しい細胞が生み出されることによって健康な状態を保っています。幹細胞の状態を最適に保つことができれば、加齢による皮膚の機能低下を防ぎ、生活の質(QOL)の向上が期待できます。さらに、幹細胞を適切に制御する技術が開発できれば、皮膚の再生医療の発展にもつながります。しかし、皮膚の幹細胞の性質やその再生メカニズムについては不明な点が多く、更なる研究が必要でした。
そこで本共同研究では、皮膚の幹細胞による再生メカニズムを明らかにするために、より多くの人の皮膚における幹細胞の解析を目指し「1000人の肌の幹細胞を解析するプロジェクト」を進めました。
そしてこの度、目標としていた1000人の皮膚における幹細胞の解析を完遂し、幹細胞を起源とした皮膚の再生がどのように進んでいくのか、その全体像が明らかになってきました(上図)。
今後は、一人ひとりの皮膚の幹細胞についてさらに詳細な解析を進め、それぞれに最適な皮膚の維持や再生技術の確立を目指します。引き続き、より多くの人の幹細胞を解析し、得られた発見については、広く社会へ還元し再生医療と皮膚科学の進歩に貢献してまいります。
参考資料
1. 1000人の肌の幹細胞を解析するプロジェクト
メナードと藤田医科大学は2003年より、皮膚における幹細胞の共同研究を開始しました。2008年には、同大学医学部に応用細胞再生医学講座を設置し、さらに2013年には、名古屋大学大学院医学系研究科に産学連携した協同研究講座を開設することで、幹細胞の研究を推進してまいりました。
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大学
私たちの皮膚には再生能力が備わっています。しかし、その再生メカニズムについては不明な点が多く残されていました。近年の研究から、皮膚の再生には幹細胞が大きく関わっていることが報告されており、精力的に研究が進められていますが、皮膚における幹細胞の性質やその再生メカニズムの解明には、より多くの人の皮膚を解析する必要があります。そこで、さらに詳細な皮膚の再生メカニズムを明らかにするため、2018年から藤田医科大学医学部、名古屋大学大学院医学系研究科、メナード総合研究所が中心となり、その他の公的研究機関の協力も得ることで、「1000人の肌の幹細胞を解析するプロジェクト」を進めました。
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皮膚における幹細胞を解析している様子
2003年からの研究成果と本プロジェクトが進んだことで、これまでに、加齢にともない皮膚の幹細胞が減少することや、皮膚の幹細胞の働きを抑制する特殊なタンパク質の発見、また皮膚の再生には老化細胞を除去することが重要なきっかけとなっていることなど多くの発見がありました。
2. 幹細胞を起源とした皮膚の再生メカニズムの全体像
この度、目標としていた1000人の皮膚における幹細胞の解析が完遂しました。これまでの解析と発見から、皮膚の再生メカニズムについて総合的に考察すると、以下の(1)〜(4)の流れが考えられました。
<幹細胞を起源とした皮膚再生の流れ>
(1)幹細胞が増殖・分化することで新しい細胞が生み出される。
(2)新しい細胞は加齢やストレスなどで老化し、蓄積していく。
(3)老化した細胞は皮膚の機能により除去され、さらに除去されたことが幹細胞に伝達される(自浄)。
(4)老化細胞の除去をきっかけに幹細胞は再生を始動させる。
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幹細胞を起源とする皮膚の再生メカニズムの全体像
私たちの皮膚は、日々、幹細胞から新しい細胞が生み出されることによって健康な状態を保っています。この幹細胞を起源とした皮膚の再生メカニズムをよく理解し、上手く制御することができれば、加齢による皮膚の機能低下を防ぎ、また皮膚疾患の予防や治療につながると期待されます。
今後は、一人ひとりの皮膚の幹細胞についてさらに詳細な解析を進め、それぞれに最適な皮膚の維持や再生技術の確立を目指します。引き続き、より多くの人の幹細胞の解析を継続し、得られた発見については、広く社会へ還元し再生医療と皮膚科学の進歩に貢献してまいります。
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