プレスリリース
サイモン・クチャーアンドパートナーズ(本社:ドイツ、日本法人:サイモン・クチャーアンドパートナーズジャパン株式会社、以下 サイモン・クチャー)は、17カ国15,440人の消費者を対象に行った調査の結果を発表しました。
世界の消費者の3分の1以上が家計の先行きに不安を感じており、必需品以外の出費を減らす見通しであることが当社実施の最新の調査で明らかになりました。一方で、今後の買い物習慣の変容は地域によって異なっています。
消費者は今後1年間において出費を減らす見込みであり、小売店やメーカーがより高い割引率やより頻繁なプロモーションを提供することで、彼らの経済的不安を緩和することを求めています。
東京 2023年7月4日 - グローバル戦略コンサルティングファームであるサイモン・クチャーが実施した「不確実な環境下において成長を“解き放つ”」スタディー*によると、世界の3分の1以上の回答者が過去半年間と比較すると今後の家計の見通しについてより楽観的に感じているにもかかわらず、38%が家計の見通しは不確かであると感じていることが明らかになりました。17カ国、1万5千人以上の消費者を対象とした本調査は、消費者が出費を削減したいとする今後12ヶ月間において小売店やメーカーに何を期待するかについても明らかにしました。
■不確実性の高まりが出費の減少を招く
世界の消費者の28%が2023年は商品購入による出費を減らすことを予期しており、これは特に高級品、娯楽、家財、レジャー用品などの非必需品やサービスに対して当てはまるものです。この傾向は特にフランス、イタリア、ベルギーなどにおいて顕著でしたが、アラブ首長国連邦(UAE)や中国などの“外れ値”は存在し、これらの国においては出費を維持または増加させたい意向です。一方、3分の1以上の消費者は食料品などの必需品には出費額を増やす意向を示しました。
サイモン・クチャーのパートナーであるフランチェスコ・フィオレーゼは「消費者心理は経済的な見通しの悪さによる不確実性を如実に反映している。メーカーや小売店は非必需品に関して、節約志向の強い消費者を惹きつけ、購入を動機づける革新的な方法を探す必要がある」と述べています。
■出費削減が買い物頻度に与える影響は地域によって異なる
過去半年間と比較すると、今後12ヶ月間で買い物頻度を増やしたいと考えている消費者の比率は世界的に高まっています。ただしこの傾向には地域によって温度差があります。アジア太平洋においては買い物頻度の伸長は圧倒的に高く、次いで中南米で高まっています。他方、欧州と北米の結果は楽観視できないものです。
サイモン・クチャーのパートナーであるビョルン・ダーメンは、「消費者の買い物頻度が比較的低い地域においては、減少した顧客接点における消費者の“活性化”がより重要になっていくであろう。小売店もメーカーも、顧客接点における働きかけの成果を最大化するために、戦略を再考させる必要がある」と述べています。
■消費者は不確実性を“相殺”する取り組みを小売店に期待している
消費者は経済的な不確実性を抱えており、小売店がこうした不安の解消に貢献する施策に期待を寄せています。不確実な家計の状況を小売店がいかに緩和できるかという問いに対し、最も多かった回答はより高い割引率の提供であり、それに次ぐオプションはより高頻度のプロモーション実施でした。また、商品のバンドリング(併せ買い)による割引提供も魅力的であるとしました。
「プロモーションや割引提供は、買い物頻度や購入点数を大幅に増加させる打ち手と言えるが、これらを適切に活用することが重要である。企業はどのプロモーションがさらなる利益を生み、どのプロモーションが利益やブランドイメージを毀損しうるかについて慎重に吟味する必要がある。正しい戦略があってこそ、小売店やメーカーは消費者の注目を集め、利益率を高めることができる」とダーメンは述べています。
■調査概要
*本調査について:本調査は2023年2月にサイモン・クチャーにて
17カ国15,440人の消費者を対象に実施。
対象国と回答者数は下記の通り。
年齢、性別、居住地域、教育レベル、雇用形態、
所得レベルに応じて回答者数を設定。
ベルギー(N=1,010)、ブラジル(N=1,003)、中国(N=1,200)、
フランス(N=1,037)、ドイツ(N=1,321)、イタリア(N=1,014)、
メキシコ(N=1,015)、オランダ(N=1,008)、北欧(N=1,793)、
スペイン(N=1,009)、トルコ(N=995)、UAE(N=998)、
英国(N=1,027)、米国(N=1,010)
■サイモン・クチャーについて
サイモン・クチャーは、世界30カ国に2,000人以上のコンサルタントを擁するグローバル・戦略コンサルティングファーム。当社では、クライアントに“目に見える”売上と利益の伸長をもたらし、クライアントにとっての“良質な成長”(better growth)を“解き放つ”ことを唯一のフォーカスとしております。私どもはクライアントが何を求め、評価しているのかを深く洞察し、クライアントの製品/商品、価格設定からイノベーション、マーケティング、セールスに至る事業戦略のあらゆる側面を最適化することで、これを実現します。サイモン・クチャーは、37年間にわたり、マネタイゼーション(収益化)に関する幅広い経験を蓄積しており、世界有数のプライシング、成長戦略スペシャリストとして評価されております。
https://www.simon-kucher.com/en/country/japan
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