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株式会社安藤・間

山岳トンネル施工管理システム「Hi-Res」の展開 - サイクルタイム取得と電力管理により現場施工の効率化に貢献 -

(@Press) 2023年05月08日(月)11時15分配信 @Press

安藤ハザマ(本社:東京都港区、社長:国谷 一彦)は、ICTにより山岳トンネル工事の生産性を大幅に高める取り組みとして「山岳トンネル統合型掘削管理システム(i-NATM(R))」の開発を推進しています。
この一環として、トンネル現場の重機機械・プラントの稼働状況を把握し、作業工種を判別することで省エネルギー化と施工効率改善の支援を行う施工管理システム「Hi-Res(注1)」を菅機械工業株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:菅 大樹、以下「スガキカイ」)と共同で開発しました(図1)。
Hi-Resは「トンネル掘削の実績サイクルチャート自動生成」「作業工種に応じた最適な換気制御」「デマンド監視と使用電力量制御」等の機能を備えます。電気信号を得ることができる機械設備であればHi-Resと接続できるため、エンジン駆動の重機なども対象とすることができ、掘削方法やズリ運搬方法の制約を受けません。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/354375/LL_img_354375_1.jpg
図1:Hi-Resシステム全体図

1. 開発の背景
山岳トンネル工事では、一般に掘削から吹付け・ロックボルトまでの一連の作業を繰り返すことで施工を進めます。この作業サイクルにおける無理・無駄を排除することによる生産性の向上が重要となります。そのため、昼夜の作業状況を作業日報などから分析し作業の最適化を図ってきましたが、手間を要すため、より精度良く効率的な情報収集技術が求められていました。
近年ではトンネル切羽に設置したカメラ映像から作業状況を解析するなどの新技術導入も進んでいます。しかしながら、これらの情報については教師データ作成の手間や、精度の面で課題が残されていました。
また、昨今のエネルギー事情を背景に、無理・無駄を無くした適切な仮設備運用を行う技術が求められ、スガキカイにより工種別風量自動制御システム「i-Res(NETIS QS-180047-A)」が開発、提供されていました。今回、これをさらに発展させたものが「Hi-Res」です。


2. Hi-Resの機能
・坑内の重機および仮設備の稼働情報を電気的に取得、坑内における作業工種を判別し、自動的にサイクルタイムチャート(図2)を分単位で作成します。
・判別された作業内容を元に、送風機・集塵機の出力制御を行い、最適な換気制御を行います。
・使用電力量監視(デマンド監視)を行い、換気設備ほか指定する設備の稼働制御を行うことで、契約電力量の抑制(ピークカット)を図ります。
・収集した各種データはクラウドサーバーに集約され、現場事務所などの遠隔地から閲覧および操作が可能です。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/354375/LL_img_354375_2.jpg
図2:サイクルチャート画面

3. Hi-Resの構成
Hi-Resは、情報収集・通信・制御などの各々の機能に応じた制御盤(以下、ユニット)で構成されます。
・場内の重機および仮設備の稼働情報はそれぞれに設置された「工種判定ユニット」「無線ユニット」により集約送信されます。
・「操作ユニット」(写真1、2)は収集された情報を元に換気設備の制御を行います。また、デジタルサイネージの役割も担います。
・「計測ユニット」にて、デマンド監視ほか、電力量計測を行います。

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/354375/LL_img_354375_3.jpg
写真1:操作ユニット画面
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/354375/LL_img_354375_4.jpg
写真2:現場運用状況

4. 運用状況と今後の展開
複数の山岳トンネル現場への展開を行っており、当社実績にて最大68%削減、平均61%削減の省電力効果を確認しました(注2)。また、既存の日報等と比較して、より精度の高いサイクルチャートが得られることを確認し、各サイクルにおける余裕人員の配置見直しなどに役立てています。
現在、工事におけるCO2発生量の演算や、Web進捗管理表、斜線工程表の自動生成など、さらなる機能拡充を進めており、今後もHi-Resを通じ山岳トンネル工事の環境負荷低減と職員・作業員の業務省力化・効率化を促進していきます。


(注1) スガキカイと特許の共同出願中
(注2) Hi-Res導入済の当社複数トンネル現場における2023年3月の換気設備消費電力を計測し、従来の運転方法と比較した結果

プレスリリース提供元:@Press

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