プレスリリース
株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は、今年で23年目を迎えるブランド価値評価プロジェクト「ブランド・ジャパン 2023」の結果をまとめ、本日(2023年3月24日)、調査結果データをリリース・発売します。調査は2022年11月に実施され、調査回答者数は6万2千人でした。ビジネス・パーソン編では、今回もSDGs17ゴールに向けた企業活動の認知度を尋ねています。
【一般生活者編(消費者が選ぶ強いブランド評価)、調査結果のポイント】
■USJが、「総合力」ランキングで初の首位に
■Google、ユニクロ、ディズニー、ダイソーがトップ5入り
■ディズニー、タキイ種苗、メルカリなど生活娯楽関連のブランドが上昇ランキング上位へ
[ブランド評価の「総合力」ランキング上位100ブランドは表1を、「総合力」上昇ランキング上位50ブランドは表2をそれぞれご覧ください]
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/348628/LL_img_348628_1.jpg
表1 ブランド・ジャパン 2023「総合力」ランキング 上位100ブランド
【調査結果より】
■一般生活者編でUSJが、初の首位に。上昇ランキングでも首位
一般生活者編「総合力」ランキングでは、USJが90.7ポイント(偏差値)のスコアを得て首位を獲得(表1)。USJはブランド力を構成する要素の中で、イノベーティブ(革新性)とアウトスタンディング(卓越性)への評価が高い。イノベーティブランキングでは1,000ブランド中第1位、アウトスタンディングでは第2位となった(図1)。これらのスコアが前回に比べて上昇したことに加え、フレンドリー(親近性)の評価が高まったことが首位獲得に繋がった。
USJは、任天堂、ワンピース、鬼滅の刃、呪術廻戦といった人気コンテンツとのコラボにより、ファミリー層の来園者が増加した。2022年にはコロナ禍による入場制限を撤廃。同年夏には、特別なクーポンが貰える「ストレス買取センター」や超豪華レジャー体験が当たる「ぶっとびツアーガチャ」といった来園者を魅了するキャンペーンを次々と実施し、話題となった。ストレスフルなコロナ禍での生活に、USJの「誰もが“超元気”になって、活気あふれる世界に変えていきたい」「NO LIMIT!」というコンセプトが刺さったようだ。また、政府が実施した「全国旅行支援」も追い風になったとみられる。
同ブランドは、2022年に、企業としてステークホルダーとのエンゲージメントをさらに高めていくべくコーポレート・ステートメント「超エンターテイニングな創造力で、人と社会に目覚めを」を新たに制定した。大阪市の公式行事としてUSJでの成人式が開催され話題になるなど、社会的な存在意義も高めている。
■Google、ユニクロ、ディズニー、ダイソーがトップ5入り
第2位のGoogle、第3位のユニクロは、前回からのTOP10入りを維持した。前回TOP10外だった、第4位のディズニーは、総合力が9.3ポイント向上し、85.7ポイントとなった。動画配信サービスの「Disney+」の会員数が大きく伸びている。また、東京ディズニーリゾートの来園者数は、前年を上回った。入場制限が緩和された中、スペシャルイベント「ビリーヴ!〜シー・オブ・ドリームス〜」が好評だった。第5位は、ダイソーで84.8ポイントを獲得。ダイソーは、創業50年の節目となった2022年にグローバルの旗艦店を銀座に出店して、話題となった。
■ディズニー、タキイ種苗、メルカリなど生活娯楽関連のブランドが、上昇ランキング上位へ
「総合力」上昇ランキングの上位では、家庭内消費(動画配信サービスなどのエンターテインメント)と、レジャー消費(テーマパーク、航空、旅行)のブランドが目立つ(表2)。タキイ種苗は、10.4ポイント上昇。2021年から若年層向けに家庭菜園キットのブランド「UETE(ウエテ)」を立ち上げた。コロナ禍と、エネルギー高騰や円安による野菜の価格上昇で生活者の家庭菜園の実施率が向上する中、こういった取り組みが評価向上につながったと考えられる。
メルカリは、7.2ポイント上昇。フリマアプリ内の累計出品数が2022年に30億品を突破した。物価上昇下で、節約意識が高まったことに加え、農家産直品の食品がお得に買える「メルカリShops」を通じて、野菜や果物を購入するなど、活用シーンが多様化したことが利用者数の増加にもつながっている。また、日清オイリオは、8.9ポイント上昇。原材料費や物流費の高騰で値上げが避けられない逆風の中、「日清ヘルシーオフ」といった健康機能を売りにする商品で売り上げを伸ばし、追い風の状況に転じた。また、「かけるオイル」という新市場の創出をけん引してきたことも評価向上に貢献しているようだ。
今回の調査結果では、コロナ禍でもたらされた行動規制が緩和されたことによる外出型消費の増加や、物価上昇による家計での消費支出への影響が大きい中で、「節約志向」「健康管理」「楽しさでストレスの発散」に貢献したブランドに注目が集まった。今後も企業は、消費者の暮らしの変化を意識し、生活の豊かさ、心の豊かさに貢献するブランドづくりの提案をし続けることが重要ではないだろうか。
■SDGs企業活動認知度、日清食品やベネッセホールディングス、トヨタホームなどが上位に
ビジネス・パーソン編における、SDGsに貢献する企業活動の認知度では、日清食品が「飢餓をゼロに」で第3位(21.9ポイント)、ベネッセホールディングスが「質の高い教育をみんなに」で首位(25.9ポイント)になった。また、トヨタホームが「住み続けられるまちづくりを」で首位(20.3ポイント)、サラヤが「気候変動に具体的な対策を」で第2位(15.6ポイント)、スターバックスコーヒーが「パートナシップで目標を達成しよう」で第3位(14.7 ポイント)と高い評価を得た。
(石原 和仁=日経BPコンサルティング ブランド・ジャパン プロジェクトマネージャー)
ブランド・ジャパン: https://consult.nikkeibp.co.jp/branding/brand-japan/
国内で使用されているブランドを一般生活者とビジネス・パーソンが評価する、日本最大規模のブランド価値評価調査プロジェクト。2001年に第1回調査を実施し、今回が23回目。一般生活者編では企業ブランドと製品・サービスブランド合わせて1,000ブランドを対象に調査した。ブランド価値の「総合力」を算出する際に、「フレンドリー(親近性)」「コンビニエント(利便性)」「アウトスタンディング(卓越性)」「イノベーティブ(革新性)」という4指標を採用した。ビジネス・パーソン編では500の企業ブランドを対象に調査した。ブランド価値の「総合力」を算出する際に、「先見力」「人材力」「信用力」「親和力」「活力」の5指標と5つの「企業評価項目」を採用した。
調査概要は、別紙の「調査の構成と概要」と「特別顧問およびブランド・ジャパン企画委員会」を参照。2021年版よりビジネス・パーソン編ではSDGsの17ゴールそれぞれに貢献する企業活動の認知度を聴取している。
日経BPコンサルティング:日経BP全額出資のブランドコンサルティング、コンテンツ関連、デジタル関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9,000万円)
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