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心拍や呼吸、機械振動などの微細振動を高精度に検知可能「非接触インテリジェントミリ波センシングシステム」を開発

(@Press) 2022年10月05日(水)14時15分配信 @Press

京セラ株式会社(代表取締役社長:谷本 秀夫)は、低ノイズのミリ波センサにより、マイクロメートル単位の微細な振動を非接触で高精度に検知・抽出することができる「非接触インテリジェントミリ波センシングシステム」を開発しましたので、お知らせいたします。

■「非接触インテリジェントミリ波センシングシステム」の動画:
https://www.youtube.com/watch?v=emfO3DehUuA

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/327963/img_327963_1.jpg
非接触インテリジェントミリ波センシングシステム(試作機)

■非接触インテリジェントミリ波センシングシステム仕様概要
表1: https://www.atpress.ne.jp/releases/327963/table_327963_1.jpg


■研究開発の背景
現在、日本の労働環境は、少子高齢化や人口減少などによる労働力不足が大きな課題であり、業務の効率化や省人化が求められています。また、昨今のコロナ禍における外出自粛に伴う、コミュニケーション不足などから日常生活においてストレスを感じる方も多く、日々の健康管理やヘルスケアにも注目が集まっています。その他、建造物の崩落や危険を防止するための検査や、工場設備の予知保全などに対する要求も強くなっています。これらの人や物の診断を行う上で、微細な振動の情報を収集することへのニーズが非常に高まっています。
当社が開発した本システムは、ミリ波帯域でマイクロメートル単位の微細振動を非接触で高精度に検知することが可能なため、人の心拍や呼吸変動、機械や建造物の微細な振動を遠隔で正確に検知することが可能です。
本システムを活用することで、日々のヘルスケアや効率的な見守りシステムが実現できるほか、工場内の機械などの異常を検知するIoTセンシングシステムなど幅広い用途に活用できます。人々の健康管理や、さまざまな労働現場での省人化という社会課題の解決に貢献できます。

■本システムの特長
本システムは、当社がこれまで培ってきた独自の材料および高精度な基板製造技術による低損失なミリ波基板と、通信機器事業で培った高度な統計的信号処理技術により、以下の特長を実現しました。

1.非接触で微細振動の検出が可能
人の心拍や呼吸などをセンシングするシステムの多くは接触型であるため、機器装着の煩わしさや計測場所に制限がありました。一方で、非接触のミリ波センサで微細な振動を正確に検知するためには、センサ全体の低ノイズ化等が課題となっていました。
京セラでは独自の材料技術と信号処理技術を結集し、これらの課題を解決。図1のように、同じく非接触型で信頼性の高い高精度な光学センサ(Laser Doppler Vibrometer)との比較においても、高い精度で振動を検知できていることが確認できています。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/327963/img_327963_2.png
図1:微細振動測定結果
「非接触インテリジェントミリ波センサ」と
光学式振動センサ (LDV = Laser Doppler Vibrometer)

2.高精度な心拍間隔のセンシングを実現
一般的な電波※1や超音波を用いた心拍や呼吸の非接触型センシングシステムでは、特に心拍の計測に関する精度に課題があり、心理分析などに適用できるまでの高精度(高時間分解能)なデータ取得が容易ではありませんでした。本システムでは、心拍に伴う胸部振動を高精度に抽出することにより、より正確な心拍変動の計測を可能にしています。日々のヘルスケア測定のほか、感情分析、自律神経分析などへの応用展開も可能です。
※1 電波とは、ミリ波帯域、マイクロ波帯域等の電磁波の総称です。

<当社実験環境による確認結果>
・心拍間隔 (HF帯域含め) 誤差: ±10ms以内を実現(図2参照)
・心拍変動スペクトル 誤差: ±10%以下(図3参照)

心拍間隔 (RRI)
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/327963/img_327963_3.png
図2:心拍間隔の測定
「非接触インテリジェントミリ波センサ」と心電図(ECG)での測定比較


心拍変動スペクトル (HRV)
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/327963/img_327963_4.png
図3:心拍変動スペクトルの測定
「非接触インテリジェントミリ波センサ」と心電図(ECG)での測定比較

3.さまざまな用途への機能拡張が可能
本システムの有する高精度な振動検知能力は、人の心拍や呼吸の検知・抽出だけでなく、動作検知(モーション検知)、および工場内の機械や建造物振動なども検知・抽出可能です。
当社では、ミリ波センサのデータを分析、活用するためのAI技術の研究開発も進めており、各種のソフトウエアモジュールとの組み合わせ(アドオン)により、多種多様な用途へのソリューション提供を目指してまいります。
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/327963/img_327963_5.png
※本システム「非接触インテリジェントミリ波センサ」の技術は、現段階で単体としての医療機器を目指すものではございません。


■「CEATEC 2022」の出展について
非接触インテリジェントミリ波センシングシステムは、本年10月18日(火)〜10月21日(金)に幕張メッセ(千葉県)で開催される「CEATEC 2022」に出展します。

表2: https://www.atpress.ne.jp/releases/327963/table_327963_2.jpg

京セラCEATEC 2022のスペシャルサイト(https://www.kyocera.co.jp/ceatec/ )もあわせてご覧ください。



プレスリリース提供元:@Press

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