プレスリリース
最先端の半導体技術を活用した高速ゲノム解析で新時代を拓くベンチャー企業である株式会社Mitate Zepto Technica(略称:MZT、本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:原島 圭介)は、今年6月にクローズしたシードラウンドとして、株式会社Monozukuri Ventures(本社:京都府京都市、代表取締役:牧野 成将)、京都大学イノベーションキャピタル株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役:楠美 公)および個人投資家3名より、J-KISS型新株予約権による1.5億円の資金調達を実施しました。今回調達した資金は、ゲノム解析専用半導体(以下、ASIC:application specific integrated circuit、特定用途向け集積回路)の論理設計と物理設計の開発、およびASICを使用したハードウェア・アクセラレータの開発に充てられます。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/317937/LL_img_317937_1.jpg
アクセラレータ(イメージ)
MZTが開発するASICとゲノム解析専用ハードウェア・アクセラレータは、超並列演算によりゲノム解析に必要なシーケンスデータのマッチング処理とアラインメント処理で世界最高速となる5分以下を実現することが期待されます。これは、従来装置の10倍以上の処理性能を達成するものです。現在、MZTは2023年中に試作システムを開発し、2024年の量産開始を目指しています。
また、MZTは独自開発するASICをゲノム解析専用ハードウェア・アクセラレータに使用することにより、システム構築コストを従来製品との比較し、5分の1程度に抑えることを目指します。この取り組みにより、スーパーコンピュータなど大型コンピュータを必要とせず、汎用サーバにより高速データ処理が可能とすることで、コスト面から解析システム導入を見送っていた中小の研究・医療機関へのゲノム診断機器の導入が促進されると考えています。
新開発のゲノム解析専用のハードウェア・アクセラレータの主な特徴は以下の通りです。
■解析スループットを約10倍にすることでランニングコストを大幅に低減
■システム構築コストを従来の10分の1とすることでイニシャルコストを大幅に低減
■解析システム導入機関の増大によるゲノム診断の裾野拡大と平準化
■解析データの増大化によるバイオテクノロジーの進化を加速
今回の資金調達の実施について、株式会社Monozukuri Ventures 代表取締役 牧野 成将氏は、次のように述べています。
「日本が遅れを取ってきたゲノム解析分野において、日本のスパコン技術も支えてきた超並列計算技術を駆使した専用アクセラレータチップの開発というエキサイティングなチャレンジに参加できる事を大変光栄に思います。MZTのソリューションにより、これまで不可能だった超短時間でのゲノム解析が実現されること、それによって全く新しい市場が広がる可能性にも期待しています。経験豊富な経営陣と粒揃いの開発陣、京都大学イノベーションキャピタル様やビジョンに共感する力強い個人投資家の方々と共に、MZTの成長に貢献します」
京都大学イノベーションキャピタル株式会社 代表取締役 楠美 公氏は、次のように述べています。
「当社は、MZTが開発するゲノム解析専用ASICが、ゲノム解析の律速となっているデータ処理速度とコスト高の解決に貢献する事を期待して出資を決めました。MZTの研究開発が、将来の医療・健康・食料を含む様々な社会問題の解決に貢献するであろう事を信じています」
株式会社Mitate Zepto Technica 代表取締役社長 原島 圭介は、次のように述べています。
「Monozukuri Ventures様、京都大学イノベーションキャピタル様、個人投資家の方からご支援をいただけることになり、大変心強く思います。当社は、医療業界が抱える諸問題に着目し、世界最高レベルの先端技術を駆使した製品開発を行い、世界へ提案することを目指しています。今回の資金調達により、ゲノム解析専用ASIC、ハードウェア・アクセラレータの開発を加速、実現することで、医療分野から食料分野まで、人類共通のさまざまな社会課題の解決に貢献してまいります」
ゲノム解析とは:生物のゲノムのもつ遺伝情報を総合的に解析すること。ゲノムを構成するDNA分子の塩基配列(GATCのならび)を決め、同・違生物種間で塩基配列の比較をすることによって、DNA配列の違いがどの様な違いをもたらすかを解明するものです。
ゲノム診断とは:個人の遺伝子を検査することで、本人の病気やその発症リスク、薬の効き具合の診断や、最適な予防、治療をデータにより迅速に選択できます。日本では一部がんゲノム医療が保険適応となっています。遺伝子検査 、DNA検査とも呼ばれています。
【Mitate Zepto Technicaについて】
Mitate Zepto Technicaは、最先端半導体技術の活用によってゲノム解析の革新的高速化を実現し、ゲノム解析の有効活用を通じ、医療や食料、エネルギー問題など人類の共通課題の解決に資する製品を創造するベンチャー企業です。
詳しくは当社ホームページを参照ください。 https://mitatezeptotechnica.com/company
【株式会社Monozukuri Venturesについて】
株式会社Monozukuri Venturesは、京都とニューヨークを拠点に、ハードテック・スタートアップへのベンチャー投資ファンドの運営と、ハードウェアの試作・製造に関する技術コンサルティングを提供する企業です。
2020年1月に、Makers Boot Campを運営する株式会社Darma Tech Labs(京都市)と、FabFoundry, Inc.(ニューヨーク市)が、2社のハードテック・スタートアップ支援の経営資源を結集して発足しました。株式会社Monozukuri Venturesが運営するMBC試作ファンドは2017年夏に1号ファンドが、2021年に2号ファンドが発足しました。これまでに日米のハードテック・スタートアップ53社(日本24社、米国29社)に投資しています。また、試作から量産に至るまでの知見とネットワークを活かし、技術コンサルティングを提供しています。スタートアップを中心に現在に至るまで150件以上のプロジェクトを支援しています。(数値はいずれも2022年5月末時点)
詳しくはホームページを参照ください。 https://monozukuri.vc/ja/about/
【京都大学イノベーションキャピタル株式会社について】
京都大学イノベーションキャピタル株式会社は、京都大学100%出資子会社として、京都大学を中心とした国立大学から生まれた研究成果を活用するベンチャー企業を対象に投資やその他の事業支援を行っております。当社は現在、総額160億円のKYOTO-iCAP1号ファンド(2016年1月設立)と総額180億円のKYOTO-iCAP2号ファンド(2021年1月設立)を運営しています。1号ファンドの満期は最長20年、2号ファンドの満期は最長17年に設定しており、基礎研究に強みを持つ京都大学の研究成果の実用化を長期にわたって支援することが可能となっています。また、2号ファンドでは、一部資金を京都大学以外の国立大学発ベンチャーに投資することとしています。
詳しくはホームページを参照ください。 https://www.kyoto-unicap.co.jp/company/
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