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【実験】夏は「角膜の傷リスク」の高いシーンが多い!?ハンディ扇風機で短時間でも涙が蒸発、「角膜の傷リスク」が高まっていることが明らかに 夏のアイケアを眼科医有田 玲子先生がご紹介
気象庁の発表によると今年の夏は梅雨明けも早く、例年よりも気温が高くなることが予想されています。夏になると家ではエアコン、外ではハンディ扇風機など様々な方法で暑さ対策をしている方も多いのではないでしょうか。夏は目のトラブルを起こす様々なリスクが潜んでいます。現代人の角膜ケア研究室では、眼科医の有田 玲子先生監修のもと、ハンディ扇風機の影響について実験を行いました。その結果判明した夏の「角膜の傷リスク」とケア方法を紹介します。
1. 夏の「エアコンや扇風機などの風」で涙が蒸発し、むき出しになった角膜は傷つきやすい。
暑い夏の時期、ご自宅ではエアコン・扇風機を使用したり、外出時にはハンディタイプの扇風機を使用している方も多いのではないでしょうか。実はエアコンや扇風機から出ている「風」を浴びることで目の角膜に傷をつけてしまうリスクが高まってしまいます。なぜリスクが高まるのでしょうか。眼科医の有田 玲子先生によると、角膜は水と油からできている涙に守られており、扇風機などの「風」を受けることによって涙が蒸発し、角膜がむき出しになってしまうといいます。角膜は繊細で傷つきやすい器官です。角膜が傷つくと疲れやかすみなどの不快症状につながってしまいます。中でも夏の定番になりつつあるハンディ扇風機は直接に顔に風が当たり、リスクが高いことが懸念されます。
今回はそのリスクを確認するため実験を行いました。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/315962/LL_img_315962_1.jpg
風で涙が蒸発してむき出しになった角膜
2. 【実験】ハンディ扇風機によって涙が蒸発しやすくなり、「角膜の傷リスク」が高まることが判明。
ハンディ扇風機の風を顔に当てることでどのくらい黒目(角膜)に影響があるのか、実験しました。(伊藤医院倫理委員会承認)
【実験方法】
(1) 使用シーンを想定し、固定したハンディ扇風機を使って1分間顔に風を当てる(まばたきは通常通り行う)。
(2) 1分後に問診票による体感の変化、BUT測定を行い、前後での変化を観察する。
※BUT測定:目の表面の涙がどのくらいの時間で乾燥し始めるか(Tearfilm Breakup Time)を調べ、涙の安定性を計る検査のこと。この時間が短いと涙が不安定で角膜が露出し、傷つくリスクが高まる。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/315962/LL_img_315962_2.jpg
実験の様子
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/315962/LL_img_315962_3.jpg
BUT測定の様子
【実験結果】
(1) BUT数値(涙が乾燥し始めるまでの時間)の変化
今回実験した3人全員の涙の保持時間が半分以下に減少することが分かりました。1-2秒で涙が蒸発し始める結果となり、「角膜の傷リスク」が高まっていることが分かりました。
(2) 体感の変化
「たった1分でも目が乾いた感じがした」という意見や「体感的には乾燥を感じなかったが、(結果を聞いて)こんなに乾いているとは驚きだった」など短時間で涙が乾きやすくなっていることに驚く声があがりました。
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実験結果:涙が蒸発
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実験結果:BUT測定値グラフ
●まとめ:有田先生のご見解
今回の実験を受けて短時間であっても直接目に風が当たることは目にとって良くない環境であることが分かりました。角膜が傷つくリスクとして様々なものがありますが、風が一番影響が大きいとも言われています。風の影響を受けて涙が蒸発しやすくなり、角膜が涙によって保護されずに、裸のような状態になってしまうと角膜が傷つきやすくなってしまい、乾き・かすみ・疲れ目など不快症状などにつながってしまいます。風が直接目元に当たらないように首元に当てるなど、使い方の工夫をしましょう。
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実験監修:有田 玲子先生
3. こんなシーンに要注意!夏の「角膜の傷リスク」と注意したいポイントを紹介
ハンディ扇風機だけでなく、夏の様々なシーンで角膜に傷がつきやすくなります。具体的にどのようなシーンが危ないのか、簡単な対策と一緒に有田 玲子先生に教えていただきました。
シーン(1):直接風が目に当たる環境
今回実験を行ったハンディ扇風機だけでなく、エアコンや家庭用扇風機、うちわなど様々な場所で直接顔に風が当たることで涙が蒸発し、角膜がむき出しに。
対策:風にあたるときは目を閉じたり、直接風が当たらないようにするとGOOD!
シーン(2):紫外線
長時間、強い紫外線を浴びることで、角膜が炎症を起こして傷つく可能性があります。夏のアウトドアシーンは要注意。
対策:目への紫外線を避けるために、日焼け止めだけでなくUVカットの日傘やサングラスを!
シーン(3):汗が目にはいる
汗は塩分が多く、目に入ってしまうと涙の水分を奪ってしまいます。また、汗と一緒に汚れが目に入ることで角膜に傷をつけてしまい、痛みを感じる原因にも。汗で落ちたメイクが目に入ることも危険です。
対策:顔周りの汗はこまめに拭き、目に入らないようにしよう
シーン(4):夏の冷え性
夏は外が暑い一方で室内は冷房で冷えています。冷房で体が冷えることによって全身の血流が悪くなり、涙の蒸発を防ぐ油が分泌されにくくなってしまいます。その結果、涙が蒸発しやすくなり、傷のリスクに。
対策:冷えすぎないよう体温調節をしたり、しっかり入浴して1日の終わりに体を温めよう
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夏の角膜傷リスクと対策
4. 【眼科医がおすすめ】適切な夏のアイケア習慣で目の角膜を守ろう
(1) 目を適度に休める/いたわる
夏の様々なシーンで目の角膜に傷がついてしまうリスクがあります。リスクを少しでも減らすために、日常的に目を使いすぎないようにしたり、目を休めることを意識しましょう。
(2) 目薬でケア
目薬でのケアも有効です。目薬はさしすぎると涙を流してしまい逆効果になるので一日に3〜5回程度を目安に一回1滴だけさすようにしましょう。角膜の修復を助けるビタミンA入りの目薬がおすすめです。
●角膜に傷がつくと様々な不快症状の原因に…
角膜が傷ついてしまうと、目の疲れやかすみ、ショボショボしたり、痛みがでたりなど様々な不快症状が出てきます。ただ目が疲れているだけと思っていても、それは角膜の傷が原因かもしれません。さらに角膜の傷が治らないままでいると、瞳のバリア機能が低下し感染症リスクも上がってしまうため、ケアが必要です。
●今回お話を伺った眼科医、有田 玲子先生について
有田 玲子先生(医学博士)
伊藤医院眼科副院長 慶應義塾大学元眼科非常勤講師 東京大学眼科臨床研究員
2012年、眼科医、一般のかた、患者さんに涙のあぶら・マイボーム腺の重要性を啓蒙するべくLid and Meibomian Gland Working Group(LIME研究会)を立ち上げ、涙のあぶらの重要性をより多くの方々に発信していくことを目的に講演会・講習会・ハンズオンワークショップ・患者さん向けパンフレットの作成などActiveに活動している。国際的には涙のあぶらに関する英文論文を70報以上Publishしており、涙のあぶらに関する論文数では世界一となっている。最近では一般の方へドライアイの正しい知識啓蒙のためYouTubeチャンネルを配信している。
https://linktr.ee/AritaReiko
画像8: https://www.atpress.ne.jp/releases/315962/LL_img_315962_8.jpg
有田 玲子先生
「現代人の角膜ケア研究室」(URL: https://www.kakumaku-lab.jp/ )では、近年増加していると言われている「角膜上皮障害(角膜に傷がついた状態 等)」から現代人の目を守るため、専門家による正しい角膜のセルフケア方法など、角膜に関する情報を分かりやすく、紹介しています。
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