プレスリリース
2022年5月23日、ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所(以下、IBS)<東京都新宿区 所長:大井静雄>は、初の試みとなるメディア向けセミナーを開催しました。テーマは、「VRやAIを活用した最先端の英語学習法」。外国語教育やEdTech(Education & Technology)にご興味のあるメディア12社にご参加いただき、各分野の研究者を招いての講演やパネルディスカッション、VR・AIの体験会などを実施しました。当日のセミナー概要をご紹介します。
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<実施背景>
テクノロジーを活用して外国語教育や外国語学習の効果を高めたり、課題を解決したりしようとする試みは、何十年にもわたって行われてきました。近年は、特にVR(仮想現実)やAI(人工知能)の活用に関する研究が世界各国で増えてきており、IBSも2022年5月にそれらの先行研究について概説・考察したレビュー論文をIBSウェブサイトで公表しています。日本の英語教育において実に多くの可能性を秘めていることから、メディアの方々に情報提供をするべく、今回のセミナー開催に至りました。
主なトピック
・VRやAIは、どのように外国語教育や外国語学習に活用できるのか?
・その効果について、現状、どのような研究結果が報告されているのか?
・子どもの英語教育や英語学習に役立てることができるのか?
■ パネルディスカッション「VR/AIによる学習と日本の英語教育の未来」
原田哲男教授(早稲田大学/IBS学術アドバイザー)、IBS主任研究員 Paul Jacobs(ポール・ジェイコブス)、そして今回の講演者である中央大学 国際情報学部 斎藤 裕紀恵准教授、早稲田大学 GCS研究機構 知覚情報システム研究所 松山 洋一 主任研究員(研究院 准教授)& 鈴木 駿吾 次席研究員(研究院 講師)、そして各種教育機関や研究者とともにVRを活用した英語教育の研究プロジェクトに携わる澤田 和信氏(株式会社イマース・ジャパン)によるパネルディスカッションを行いました。
テーマは、VRやAIなどの最先端技術をどのように小・中学生、高校生の外国語学習に適用できるか、どのような効果が期待できるか、どのような課題があるか。この分野の研究は、大学生を対象としたものが多いことがテーマ設定の背景です。VR/AI技術、会話データ、第二言語習得の理論、外国語教育のあり方、授業での実践、子どもの発達など、さまざまな観点から議論が交わされました。
ファシリテーターを務めた原田教授は、「例えばLL教室など、テクノロジーと外国語教育の関係は失望の連続でした。でも、もしかしたら今回のテクノロジーはうまくいく可能性があるのではないかと思いました。なぜなら、外国語教育を成功させるために重要なことが含まれているからです。」と話し、AIやVRなどの最新技術に大きな期待を寄せました。
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IBS主任研究員のJacobsは、自身が執筆したレビュー論文の概要を紹介しました。同論文は、VRなどの三次元、またはコンピュータ・ゲームなどの二次元の没入型技術を使った外国語学習に関する海外の先行研究を調べたもの。良い学習成果が出たことを報告している研究が多いことから、第二言語習得や外国語学習の理論に基づき、その理由についての考察が発表されました。
仮想環境での外国語学習が効果的になるための要素は「周りの人や環境と関わり合う」、「モチベーションが高まる」、「さまざまな感覚を使う」の三つ、とのこと。小学生を対象とした研究では各要素がVRやゲームにどのように含まれていたか、この分野の研究ではどのような課題があるか、日本の英語教育ではどのような価値があるか、などについて話しました。
※レビュー論文はこちら https://bit.ly/3Ll1HCK
以下、今回登壇された各先生の講演についてご紹介します。
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講演 「VRを活用した英語教育の可能性」
中央大学 国際情報学部 斎藤 裕紀恵 准教授
斎藤准教授は、アメリカ・カリフォルニア州のEdTechベンチャー企業であるImmerse社と共同で、VRを活用した英語教育の研究プロジェクトを実施。国内外での教育現場におけるVR活用の動向、VRを活用した授業例とともに、貴重な授業映像も紹介されました。例えば、学生たちはヘッドマウントディスプレイ(VRゴーグル)を頭に装着し、空港やレストランなどの仮想空間に入って、その場面に合った会話を練習します。斎藤准教授によると、「英語を話すことへの不安が軽減され、英語を話すことに自信が持てるようになったことが示された」とのこと。
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講演 「人と共に成長するオンライン語学学習支援AIシステム InteLLA」
早稲田大学 GCS研究機構 知覚情報システム研究所 松山 洋一 主任研究員(研究院 准教授)& 鈴木 駿吾 次席研究員(研究院 講師)
社会的会話AIエージェントの開発に携わってきた松山研究員からは、「InteLLA」(Intelligent Language Leaning Assistant)について紹介されました。InteLLAは、会話AI技術を使って英語でインタビューをしたり、スピーキング能力を判定したりするシステム。松山研究員によると、来年度から早稲田大学で導入予定など、社会実装のフェーズに入っているとのこと。さらに、学習者がAIエージェントを相手にさまざまなシチュエーションやタスクでの英会話を練習できる自己学習を可能にすることが目指されています。
最後に、ご参加いただいたメディアの方がVR英語授業や会話AI「InteLLA」を実際に体験できる時間を設けました。VR体験では「没入感という意味がわかりました」、AI体験では「会話の相手がAIだということを忘れますね」などといった声が聞かれ、それぞれの登壇者に個別にさまざまなご質問をいただきました。今回のセミナーは、異なる分野の専門家、そして、メディアの方々の間で極めて有意義な情報交換や意見交換が行われ、日本の英語教育の未来を考えるうえで貴重な機会となりました。
ご登壇いただいた斎藤 裕紀恵 准教授(中央大学)、松山 洋一 主任研究員・鈴木 駿吾 次席研究員(早稲田大学)のくわしい研究内容・活動については、IBS研究員による取材記事を当ウェブサイトに今後掲載する予定です。そちらもぜひご覧ください。
※IBS主催 第1回メディア向けセミナー「VRやAIを活用した最先端の英語学習法」
実施リポート全文はこちら URL: https://bit.ly/IBS-mediaseminar-220523
※本セミナーに関するお問い合わせ先:contact@bilingualscience.com
<参考>
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VRプラットフォーム「immerse」を使った英語授業の体験
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会話AI「inteLLA」による英語インタビューと能力判定の体験
名 称:〜メタバース時代到来!アバター使用で「英語を話すのが不安」と感じる日本人が減る!〜
IBS主催 第1回 メディア向けセミナー「VRやAIを活用した最先端の英語学習法」
日 時:2022年5月23日(月)10時〜12時半
場 所:ザ・ペニンシュラ東京
内 容:
・10:00―斎藤裕紀恵氏によるVRを用いた英語学習に関する講演・実演
・10:30―松山洋一氏によるAIアプリを用いた英語学習評価に関する講演・実演
・11:00―ポール・ジェイコブスによる海外での先端研究・IBS論文紹介、分析
・11:10―斎藤氏、松山氏、原田氏、ジェイコブスによるディスカッション
「VR/AIによる学習と日本の英語教育の未来」
・11:30―質疑応答/懇親会 ※デモ体験 ・12:30―終了
■ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所
(World Family's Institute Of Bilingual Science)
事業内容:教育に関する研究機関
所長:大井静雄(東京慈恵医科大学脳神経外科教授/医学博士)
所 在 地:〒160-0023 東京都新宿区西新宿4-15-7
パシフィックマークス新宿パークサイド1階
設立:2016年10 月 URL:https://bilingualscience.com/
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