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一般社団法人日本プロバイオティクス学会

ピロリ菌が胃がんの原因であることを医師自らが“飲んで”解明 ピロリ菌が発見された4月14日を「ピロリ菌検査の日」と制定

(@Press) 2022年04月07日(木)11時00分配信 @Press

一般社団法人日本プロバイオティクス学会(理事長:古賀 泰裕)は、一般社団法人 日本記念日協会(本社:長野県佐久市、代表理事:加瀬 清志氏)より認定を受け、ピロリ菌が発見されたことで知られる4月14日を「ピロリ菌検査の日」に制定いたしました。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/304357/LL_img_304357_1.jpg
電子顕微鏡で見たピロリ菌(出典:東海大学医学部 古賀 泰裕客員教授)

日本では昔から胃の病気を患う人が非常に多く、胃がん、胃十二指腸潰瘍、慢性胃炎はその3大疾患でした。これらの胃の病気の原因については、暴飲暴食、食塩過剰摂取、遺伝的要因など多くの説が唱えられていましたが、1984年4月14日、オーストラリアの消化器病医、マーシャル博士およびウォーレン博士による胃粘膜からのピロリ菌の発見は、これらの諸説を一掃し、胃がんを始めとする胃の病気の原因がピロリ菌感染であることを明らかにしました。
実際、胃がんの“99.4%はピロリ菌感染に由来する”といわれています。このようにピロリ菌の発見は消化器病学におけるゲームチェンジャーであるとも言えます。
1990年代では、ピロリ菌感染者は日本人の50%以上を占めていましたが、この発見をもとに、抗菌剤を用いるピロリ菌除菌療法が90年代より本格化。2013年からは内視鏡検査でピロリ菌感染胃炎と診断されれば、保険診療で除菌が可能となり、除菌療法は急速に普及するようになりました。さらには若年者の新規ピロリ菌感染の減少も相まって、近い将来、日本から胃がんはなくなると期待されるようになりました。
ところが、最近の報告(J. Gastroenterol. 2020;55:281)では除菌で胃がん発生のリスクが下がることは確かですが、除菌後も胃がん発生の頻度は無視できないほど大きいことがわかってきました。例えば、ピロリ菌感染者で除菌しない場合は、1年間にその0.5%が胃がんを発症しますが、除菌をしてもその頻度は年間0.35%で、それほど劇的に胃がん発症が減るわけではありません。したがって元からピロリ菌に感染していない場合を除いて、一度ピロリ菌に感染した人では除菌後も胃がん早期発見のための定期的な胃カメラ検査が欠かせません。
このようにピロリ菌はいったん感染してしまうと、除菌後も胃がん予防のための定期的な検診が必要になります。よって、ピロリ菌感染予防、ピロリ菌感染者のピロリ菌除菌あるいは抑制、そしてピロリ菌除菌後のケアの重要性を、多くの人々に再認識してもらうため、このたび4月14日を「ピロリ菌検査の日」と制定いたしました。


<ピロリ菌発見の歴史>
マーシャル博士とウォーレン博士は、胃炎を発症した胃粘膜に、後にピロリ菌と命名されるらせん状の細菌が多数棲息していることを発見しました。彼らは、これらの細菌が胃炎の病因であると考え、寒天培地での純粋培養を何度も試みましたが成功に至りませんでした。しかし、1982年4月14日、イースター休暇を終えたマーシャル博士が研究室にもどり、たまたま取り出すのを忘れ恒温室に5日間置き去りにされていた培地をみると、そこにはらせん菌のコロニーが形成されていました。培養に成功したこの細菌は、これまでに見たこともない4日間という長期培養を必要とする未発見の細菌であり、これが現在ヘリコバクターピロリと呼ばれているピロリ菌でした。すなわち、ピロリ菌発見の瞬間でした。
さらに、マーシャル博士自身がピロリ菌を30mLのスープとともに飲む臨床実験により、1週間後の早朝、激しい吐き気と嘔吐を繰り返し、内視鏡検査では急性胃炎を発症したことから、ピロリ菌は胃炎の原因であることが証明され、その後、消化性潰瘍、さらには胃がんの原因であることも明らかになりました。
これらの業績により、ウォーレン博士とマーシャル博士の2人は、2005年のノーベル医学・生理学賞を受賞しました。


<一般社団法人日本プロバイオティクス学会>
プロバイオティクス、さらに付随するプレバイオティクスの基礎臨床研究および製品開発を支援することを目的として設立され、その目的に資するため、学術集会の開催、学術誌の刊行、プロバイオティクス・プレバイオティクス製品開発への助言、国内外の関連学会との交流等を行っている。

理事長 古賀 泰裕(こが・やすひろ)
一般社団法人日本プロバイオティクス学会理事長。
1978(昭和53)年、九州大学医学部卒業、同大学院にて医学博士取得。1991(平成3)年、九州大学生体防御医学研究所助教授を経て、1993(平成5)年、東海大学医学部感染症部門教授。2018年、定年にて退任。引き続き、同医学部消化器内科学客員教授。1998(平成10)年に現在の一般社団法人日本プロバイオティクス学会を設立し、理事長として同学会の発展運営に努めている。現在はプロバイオティクスの研究開発に従事。ピロリ菌の活性を抑制する作用で知られるLG21乳酸菌の第一発見者。著書:毎日新聞出版「プロバイオティクス物語」、シナジー社「医科プロバイオティクス学」など

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/304357/LL_img_304357_2.png
理事長 古賀 泰裕(こが・やすひろ)

プロバイオティクスシンポジウム'22の開催
日時 : 2022年5月13日(金) 午後1時〜午後5時30分
開催様式: ハイブリッド型
場所 : 霞が関プラザホール(東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビル1階)
概要 : https://probiotics-org.jp/symposium/
参加費 : 4,000円(申し込み制)
※メディア関係者は、学会事務局 担当:森(080-8010-2938)宛に
事前にご連絡をいただけましたら、無料でご参加いただけます。
申込フォーム: http://probiotics-org.jp/application-form/

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