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エン・ジャパン株式会社

390社に聞いた「改正育児・介護休業法」実態調査―人事向け情報サイト『人事のミカタ』アンケート―

(@Press) 2022年02月15日(火)14時00分配信 @Press

人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)が運営する人事向け情報サイト『人事のミカタ』(https://partners.en-japan.com)上でサイトを利用している企業の人事担当者を対象に「改正育児・介護休業法」についてアンケート調査を行ない、393社から回答を得ました。以下、概要をご報告します。

■ 調査結果概要
★ 2022年4月から段階的に施行される「改正育児・介護休業法」、認知度は8割。2022年4月からの適用内容と2022年10月からの適用内容、認知度はそれぞれ73%。
★ 改正育児・介護休業法について、8割が「良いと思う」と回答。一方、従業員数300名未満の企業の1割は「わかりづらい」と指摘。
★ 35%が「男性の育児休業の取得実績がある」と回答。従業員数300名以上の企業では59%が男性の育休取得実績あり。
★ 育児休業に関する悩み、トップは「休業社員の代替要員の確保とコスト」。

■ 調査結果詳細
1:2022年4月から段階的に施行される「改正育児・介護休業法」、認知度は9割。2022年4月からの適用内容と2022年10月からの適用内容、認知度はそれぞれ73%。(図1〜図3)
「2022年4月から段階的に施行される『改正育児・介護休業法』は知っていますか?」と伺ったところ、79%が知っている(よく知っている:16%、概要だけは知っている:63%)と回答しました。従業員規模別での認知度は、従業員数300名未満の企業では77%(同:14%、63%)、従業員数300名以上の企業では84%(同:22%、62%)で、大企業での認知が進んでいる実態がわかりました。

また、この法改正によって段階的に施行される具体的な内容について知っているか伺いました。2022年4月から全企業に対して課される「育児休業を取得しやすい環境整備・個別の周知・意向確認措置の義務化」と「有期労働者の育休取得条件緩和」の認知度は73%(よく知っている:14%、概要だけは知っている:59%)でした。2022年10月からの「産後パパ育休(出生時育児休業)の創設」「育児休業の分割取得が可能になること」の認知度も同じく73%(同:19%、54%)でした。適用時期の早い内容についてのほうが、「よく知っている」と回答した企業が少なく、改正法への理解が進んでいない状況がうかがえます。

【図1】2022年4月から段階的に施行される「改正育児・介護休業法」は知っていますか?(企業規模別)
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/298194/img_298194_1.png

【図2】この法改正により、2022年4月から全企業に対して「育児休業を取得しやすい環境整備・個別の周知・意向確認措置の義務化」、「有期労働者の育休取得条件緩和」が課されることを知っていますか?(企業規模別)
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/298194/img_298194_2.png

【図3】この法改正により、2022年10月から「産後パパ育休(出生時育児休業)が創設されること」、「育児休業の分割取得が可能になること」を知っていますか?(企業規模別)
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/298194/img_298194_3.png

2:改正育児・介護休業法について、8割が「良いと思う」と回答。一方、従業員数300名未満の企業の1割は「わかりづらい」と指摘。(図4)
改正育児・介護休業法についてどのように思うか伺ったところ、8割が「良いと思う」(非常に良いと思う:22%、まあ良いと思う:58%)と回答しました。一方、全体の8%、従業員数300名未満の企業の10%は「わかりづらい」と回答しています。コメントには「育児・介護制度は少子高齢化社会には必要不可欠」「共働きが当たり前の世の中で、育児についても協力し合う世の中になるべき」などの声が寄せられた一方、「度重なる法改正で制度が複雑化している」「国からの周知がわかりづらい」などの指摘も見られ、企業担当者が対応に苦慮している様子もうかがえます。具体的なコメントもあわせて紹介します。

【図4】「改正育児・介護休業法」について、どのように思いますか?(企業規模別)
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/298194/img_298194_4.png

「非常に良いと思う」「まあ良いと思う」と回答した企業
・日本の場合、法制化でもしないとなかなか取得が進まないと思うので、定着するまでは法で強制力を持たせるくらいで良いと考えている。(サービス関連/10〜29名)
・男性育休など取得が難しい世の中なので、取得しやすい雰囲気にするために改正することは良いことだと思うが、実際に取得しても周囲の理解が得られないままであれば、取得したくてもしない状態に陥ることが考えられる。そこについて何か対策を取ることができればよいのではないかと思う。(流通・小売関連/50〜99名)
・今後は育児を終えた方の復帰が大きな戦力となる。育児・介護制度は少子高齢化社会には必要不可欠であり、環境を整えた企業に人材が集まる。(メーカー/50〜99名)
・育児や介護は日本全体の問題であり、男性の積極的な参加および女性の積極的な仕事での活躍が促進されるようになってほしい。(IT・情報処理・インターネット関連/100〜299名)
・少子化対策と声高に叫んでいる反面、出産適齢期のうちに子供を複数人産むと現実問題として出世の壁になっている現状を変える一石となってもらいたい。(IT・情報処理・インターネット関連/300〜999名)

「あまり良いと思わない」「良くないと思う」と回答した企業
・産後パパ育休は必要かもしれないが、それを法規制下にするのではなく柔軟に対応するのが良いと思う。(商社/1〜9名)
・働き方の自由度を高める施策のように感じられるが、実際は制度や規制によってがんじがらめになってしまうことが懸念される。(流通・小売関連/50〜99名)
・人員の少ない環境では「休みたいが休めない」というジレンマがある。「休んでもらいたいが、すぐに代わりを確保できない」という組織側のジレンマも同様にある。(不動産・建設関連/100〜299名)
・国の方針とはいえ、日本の風習や習慣を大きく変えることであり、性急な感じが否めない。もう少し時間を掛けて徐々に浸透させてほしいのが現場サイドの意見である。(サービス関連/300〜999名)
・現場の業務の停滞と混乱を懸念する。(その他/300〜999名)

「わかりづらい」と回答した企業
・いかに会社が従業員に対し恩着せがましくなく、プライベートに配慮して意向確認するかが課題になると思う。また、産後パパ育休については、男性は妻の産後8週間のうちの4週間しか育児休業を取得できないと間違った印象を与えてしまうのではないかと思う。細切れに取得できる点をアピールしたいのだと思うがそれが伝わっていないように思う。(コンサル関連/1〜9名)
・国からの周知をもっとわかりやすくすべき。(不動産・建設関連/1〜9名)
・改正が度々あり、条件が変わったり新たな制度が追加されたりしていて把握しきれない。(IT・情報処理・インターネット関連/10〜29名)
・両親が同時に取得する場合や、単独または期間別に取得するケースなどがあり、わかりにくい。労務の担当者でなくてもすぐに理解できるような内容にすべきだと思う。(サービス関連/100〜299名)
・度重なる法改正により制度が複雑化し、対象者はもとより労務担当者も詳細を理解するのが困難。(IT・情報処理・インターネット関連/300名〜999名)
※(業種/従業員数)

3:35%が「男性の育児休業の取得実績がある」と回答。従業員数300名以上の企業では59%が男性の育休取得実績あり。(図5〜図6)
育児休業の取得状況について、男女別に伺いました。男性の育児休業について、35%が「取得実績あり」と回答しました。企業規模別では、従業員数300名未満の企業では取得実績があったのは26%でしたが、従業員数300名以上の企業では59%と、大企業の半数以上で男性育休の取得実績があることがわかりました。女性の育児休業は全体で79%、従業員数300名未満の中小企業でも73%が「取得実績あり」と回答。男女の取得実績に40ポイント以上差がある実態がわかりました。

【図5】貴社の育児休業の取得状況を教えてください。(男性、企業規模別)
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/298194/img_298194_5.png

【図6】貴社の育児休業の取得状況を教えてください。(女性、企業規模別)
画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/298194/img_298194_6.png

4:育児休業に関する悩み、トップは「休業社員の代替要員の確保とコスト」。(図7)
育児休業に関する悩みや懸念点を伺ったところ、62%が「休業社員の代替要員の確保とコスト」と回答しました。中小企業と大企業のいずれも6割超が選択し、トップでした。次いで「改正育児・介護休業法への対応」と「男性社員の育休取得や育児参加による人員不足」が32%で並びました。具体的なコメントもあわせて紹介します。

【図7】貴社での、育児休業に関する悩みや懸念点は何ですか?(複数回答可、企業規模別)
画像7: https://www.atpress.ne.jp/releases/298194/img_298194_7.png

「休業社員の代替要員の確保とコスト」と回答した企業
・取得実績がないので、今後休業する社員が出たときどう対応するのか決まっていない。技術職であることや機密情報の問題もあり、派遣などで代替要員が容易に確保できるとも思えない。(IT・情報処理・インターネット関連/10〜29名)
・1つの業務を1名が担当する形をとっており、休業する社員の担当業務に対応する余裕がない。(メーカー/100〜299名)
・老人ホームを運営しているが、法律で必要な人員が定められており、その間の人員をどうするか、コストをいかに抑えるかが課題。(その他/1000名以上)

「改正育児・介護休業法への対応」と回答した企業
・社内には、育児休業を推奨するのではなく「仕方なく取得させる」という雰囲気があり、社内規定作りや従業員への周知を行ないにくい。(IT・情報処理・インターネット関連/10〜29名)
・女性社員は、結婚・出産を機に仕事を辞めるもの、男性は育児に非協力が普通という考えを常識としている人が多い社内においては何をするのも難しい。(不動産・建設関連/50〜99名)
・年々法整備が進み規程が変更になるので、その対応と社内意識の醸成を行なうことに問題意識と課題感を持ちながら進めている。(サービス関連/300〜999名)

「男性社員の育休取得や育児参加による人員不足」と回答した企業
・男性の育休について、男性だからという考えもおかしい。男女問わず育児をメインでする人は育休が必要だが、2人揃って4週間休まなくても良いのではないか。(商社/1〜9名)
・男性社員が育休を取得した実績がなく馴染みがない。(メーカー/30〜49名)
・上長の理解により対応の差が大きい。また、余裕のある人員体制ではない。(メーカー/300〜999名)

【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査対象:『人事のミカタ』(https://partners.en-japan.com/)を利用する企業
■有効回答数:393社
■調査期間:2021年12月22日〜2022年1月25日
※業種別での集計も可能です。必要な場合は、お問合せください。

■ 困ったらまずココで検索。人事担当者向け情報サイト『人事のミカタ』
https://partners.en-japan.com/
画像8: https://www.atpress.ne.jp/releases/298194/img_298194_8.png
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