プレスリリース
法務大臣の認証を取得して活動するADR機関(民間調停機関)である「家族のためのADRセンター」(以下「当センター」、運営:一般社団法人家族のためのADR推進協会)は、この度、過去3年間の利用者にアンケートを実施し、オンライン調停の利用感や家庭裁判所の離婚調停との違いついて調査・報告しました。
「コロナ離婚」という言葉が聞かれるなど、長引く自粛生活の中で関係が悪化する夫婦が増えていますが、当センターでは、この間、Zoomによるオンライン調停を数多く実施してきました。
調査結果の一部を以下にご紹介します。
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オンライン調停の様子
1. 早期解決・利便性・穏やかな解決へのニーズ
民間調停であるADRを利用した理由として、以下のような理由が挙げられています。
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なぜADRを利用したか
一方で、家庭裁判所の調停を利用しなかった理由として、以下のような回答となっています。
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家庭裁判所を利用しなかった理由
この結果より、便利に早く、そしてなるべくなら安価に解決したいというニーズと共に、夫婦間のことなので、あまり大げさにせず、穏やかに解決したいという気持ちも読み取ることができます。
2. オンライン調停へのニーズと利用感
コロナ禍をきっかけに普及したオンライン調停ですが、利用者のニーズとして一番多かったのは、相手と同じ空間にいなくても済むからという回答でした。顔が見えるし声も聞こえるけれども、実際には別々の空間にいることが安心感につながっているようです。
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オンライン調停を利用した理由
次に、実際に利用した結果、不便に感じたことやよかった点については、以下の結果となっています。
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オンライン調停の不便だった点
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オンライン調停のよかった点
大多数の人が不便さより便利さを実感する結果となっていますが、オンラインだからこそ言いたいことが言えたという人と、逆に、対面でないために言いたいことが言いづらかったという回答も一定数ありました。
3. 離婚する相手であっても憎しみの感情だけではない
ADRによる離婚協議を行うに際し、利用者のみなさんがどんなことを大切にしていたのかが分かるのが以下の質問です。
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どんなことを大切にしたかったか
自分のことはさておき、子どもの幸せを大切にしたいという回答が最多です。また、相手の気持ちも理解したい、双方が納得できるようにしたい、後々もめないようにしたい、といった回答が目立ち、うまくいかなくなって離婚する二人であっても、憎しみだけではなく、お互いを尊重した解決や冷静な解決を目指していることが分かります。
また、以下の質問は、離婚協議前後の気持ちの変化を問うものですが、過去を振り切り、未来に進む気持ちになった人が多数いるのに加えて、相手に対する感情が改善した人が10%近くいることが分かります。
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調停前後の気持ちの変化
感情的になって、相手を誹謗中傷するのではなく、お互いに尊重し、冷静に話し合うことが前に進む原動力になっているのではないでしょうか。
4. 話合いの納得度が成立率の高さや継続の意欲につながる
次に、話合いの結果は以下のとおりでした。例年の司法統計によりますと、家庭裁判所の離婚調停の成立率は50%に満たないことがほとんどですので、85%という成立率はかなり高いと言えます。
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成立・不成立
次に、成立後の養育費及び面会交流の履行率についてですが、どちらも60%を超える履行率でした。厚労省が平成28年度に実施した全国ひとり親世帯等調査結果報告によりますと、家庭裁判所利用者の養育費及び面会交流の継続率はどちらも50%前後ですので、ADRで取り決めた方が、履行率が高いと言えます。
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養育費の支払いは継続しているか
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面会交流は今も続いているか
この結果より、家庭裁判所で徹底的に争う前に専門家が仲介し、当事者が主体的に話し合うというADRならではの構造により、子どもや相手の気持ちも尊重した解決が可能になり、その結果、養育費や面会交流の継続率が高まっていることが分かりました。
利便性が注目されがちなADRですが、それ以上に、納得度の高い解決が可能な点にメリットがあるのではないでしょうか。
アンケート全体は以下よりご覧いただけます。
https://rikon-terrace.com/questionnaire
プレスリリース提供元:@Press