プレスリリース
栗田工業株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:門田 道也)は、産業の生産技術進歩の実現に向けて、お客様の生産効率や製品品質の向上に貢献できる取り組みを推進しています。
その取り組みの中で、最先端の半導体製造における歩留まり向上や安定操業に寄与する、高純度な超純水製造用機能材「KR-FM樹脂」が、このたび北米で採用されました。
KR-FM樹脂は、半導体産業向けに三菱ケミカル株式会社と共同開発した高純度の超純水製造用の機能材(イオン交換樹脂)で、超純水製造プロセスにおいて適用される際に、微粒子の発塵が極めて少ないことが特長です。
様々な電子製品やデータセンターの機器製品等に広く使用されている半導体製造プロセスでの洗浄において欠かせない超純水は、イオン交換樹脂やUF膜等の機能材を適用した水処理設備で製造されます。しかし、近年の多種多様なニーズによる半導体の高性能化・微細化に伴い、高純度な超純水が求められる中、従来のイオン交換樹脂から発塵する微粒子をUF膜で完全に除去することは困難であり、超純水の製造における従来の機能材の適用上の課題となっていました。
これに対し当社が共同開発したKR-FM樹脂を超純水製造設備に適用することで高純度の超純水を製造することができ、製造プロセスで生じる有機物や金属イオン類に加え、課題である微粒子など超純水の純度に影響を及ぼす不純物を低減することが可能となります。これにより、最先端の半導体製造における歩留まり向上および安定操業への貢献が期待されます。この技術が評価され、当社は日本イオン交換学会より技術賞を受賞しました。
KR-FM樹脂は、これまで日本を中心とするアジアのお客様に展開を進めてまいりましたが、北米大手半導体メーカーにおいても超純水中の微粒子などの不純物が従来と比較して低減できることが評価され、本樹脂を採用いただきました。
この採用を機に、当社は半導体産業の生産技術進歩に貢献するKR-FM樹脂の海外展開を加速してまいります。
クリタグループは、中期経営計画「MVP-22(Maximize Value Proposition 2022)」において、CSRを経営の中核に据え、社会との共通価値の創造に注力しています。今後も重点事業領域の一つと位置付ける電子産業分野において、最先端の水処理技術を用いたソリューションをあらゆる地域のお客様に幅広く提供することで、産業の生産技術の進歩に貢献してまいります。
【補足】
関連情報:2021年10月に日本イオン交換学会より技術賞を受賞しました。
KR-FM樹脂をはじめとした最先端の超純水製造に貢献する技術を開発し、イオン交換技術で産業の発展に貢献するとともに、本分野の工業的価値を向上したことが評価されました。
プレスリリース提供元:@Press